毎週月~土曜に放送中の連続テレビ小説「べっぴんさん」(朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)で、若者向けファッションブランド・AIS(エイス)の社長・岩佐栄輔を演じる松下優也。
戦後の混乱期を生き抜くすみれ(芳根京子)を陰ながら支え続けるひたむきな青年だったが、姿を消してから13年の時間を経て、敏腕若手社長として再登場し、その変貌ぶり視聴者を驚かせた。
目覚ましい活躍を見せる松下に、本作への出演に対する思いや、今後の目標などを聞いた。
――劇中で姿を消してから再登場までの間、ファンが“栄輔ロス”と嘆いたことが話題になりました。その言葉を聞いたときにどう思われましたか?
ちょっとだけホッとしました(笑)。絶対“何とかロス”って言われないといけないポジションにいたので、“栄輔ロス”と見たときにホッとしました。僕も誰かには“ロス”ってもらえて良かったなと思います(笑)。
――他にご自身の周りの環境の変化を感じたことはありますか?
デビューしたのが18歳で、キャリアは9年目になりますが、変化はかなり感じています。例えば僕を応援していただいている方が、友人やご家族の方に僕の話をするときに、「その人誰?」となっていたのが、栄輔役によって、徐々に認識され始めているのかなと思います。
――2カ月ぶりに現場に帰ってきて、いかがでしたか?
現場に戻って初めての出演が、ナイトクラブですみれ(芳根京子)がさくら(井頭愛海)に怒るシーンだったので、すみれの母親としての部分が特に出ていてびっくりしました。
すみれは、昔はすごくお嬢さん気質だったのですが、それが今ではしっかり地に足の着いた母親になっていて、芳根さんが見た目やビジュアル面ではごまかせない母親の部分を芝居で実際にやっておられました。
そういうすみれさんを目の前にすると、前の現場からの期間がたった2カ月であったとしても、物語の中で流れた13年間の時間を感じながら、僕もお芝居ができたと思います。
――栄輔が登場するとき、ポケットに手を入れているというのが話題になりましたが、あれはご自身で提案されたのですか?
特別に「演出的にポケットに手を入れてくれ」と言われたわけではありません。ただ、栄輔は日本のファッションに斬新で奇抜なものを持ってきたというわけではなく、アメリカのベーシックなスタイルを世の中に広めて、「この日本を変えたい」と、日本人の意識改革をしようとしたんだと思います。
栄輔は、五十八(生瀬勝久)さんと会う時は、ポケットから手を出していたのですが、それ以外の場面ではポケットに手を入れています。もちろんそれは虚勢を張っているポーズですが、栄輔にはそういう力強い思いがあったと思います。ただ、僕もここまで話題になるとは思いませんでした。SNSの時代だなと思います(笑)。
――再登場のときは、どのように演じようと思われましたか? 今後の栄輔の見どころも併せて教えてください。
再登場の時は、栄輔の心にあるものは決して変わらないけれど、これまで前面に出ていた温かい部分や優しい部分が、表面には見えてこないように心掛けました。
僕は本来、栄輔が持っている、優しさを決して変わらず持ち続けていようと思いながらこれまで演じてきて、今後波瀾(はらん)万丈で時代も変わりますが、何かが起こった時に決して落ちない人間としての強さを栄輔は持っているので、そこはこだわりました。
――ボーカル&ダンスグループ“X4”のリーダーとしても活躍されていますが、今後音楽活動、俳優活動を今後どのようにしていきたいですか?
こういう活動をしていると、この「べっぴんさん」のお話もそうですし、本当に何が起こるか分からないなと思います。ビジョンとしては、武道館でライブがやりたいという目標は常にあり、成し遂げたいなと思っています。
数年前までは「自分はこれがやりたいんだ」という思いが強くあったのですが、最近では「自分がこれをやることで、喜んでくれる人がいる」というところにやりがいを感じるようになりました。
僕を元々応援してくれている方にとっては、もっと音楽をやってほしいという声もきっとあると思いますが、僕が有名になることによって、応援していることを、大きい声で言えるようになるのかなと思います。そうなったらうれしいですね。
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