上川隆也、“忘れられない一作”は「『またか』と思われる方も多いでしょうが(笑)『ガンバの冒険』」<遺留メモ(8)>

2021/03/04 07:00 配信

ドラマ アニメ インタビュー 連載

上川隆也が主演を務める「遺留捜査」第8話は3月4日(木)に放送(C)テレビ朝日

「遺留メモ」連載第8回は『アニメ』


WEBザテレビジョンでは、毎週木曜のドラマ放送日の掲載で、上川の“おすすめエンタメ”にまつわるエピソードと共にストーリーを紹介する連載企画「遺留メモ・令和版」を展開中。第8回となる今回は、上川の“思い出のアニメーション作品”について聞いた。

――上川さんにとっての思い出のアニメーション作品は?

昨年、NHKさんでアニメ「未来少年コナン」(NHK総合)が半年間再放送されていたんです。この放映に対して僕が思っていた以上に若い人たちが反応していて、やっぱり時を経ても、名作というのは名作と呼ばれるだけの力を発するものなんだと、むしろ感心するような思いで見ていました。

同じ理由で、これまでいろいろなインタビューで何度もご紹介しているので「またか」と思われる方も多いでしょうが(笑)、僕にとっては「ガンバの冒険」(1975年、日本テレビ系)が忘れられない一作です。

ガンバたちの敵になるイタチの“ノロイ”が観る者の恐怖心を煽るような描かれ方をしているので、あのキャラクターがどうしてもダメですという方には正直なところ「ごめんなさい」と言うしかありません。そんな方には、お子さんとも一緒に楽しめる「どうぶつ宝島」(1971年公開)もおすすめです。

この作品のスタッフは、高畑勲さんが手掛けられた「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968年公開)に携わっていたメンバー。高畑さんが妥協なく作ってしまったがために、長期にわたってホルスに掛かりっきりだったそうなんです。心理描写にこだわった高畑さんの率いる現場は、腕利きのアニメーターたちにとっても過酷な物だったとか。

そのアニメーターたちがホルスが終わった直後に参加した作品なのでとても解放感があふれている作画になっていて、キャラクターたちが実に奔放に、そしてダイナミックに動き回るんです。だから、見ているだけで心が躍る作品なんです。

原作には出て来ないヒロインは宮崎駿さんのアイデア。アクションシーンも手掛けられていて、動き回るキャラクター達が実に楽しいんです。

今、ジブリ作品に親しんでいる方々は「あ、こんなところにルーツがあったんだ」と、いろいろな発見をしていただけるような作品だと思います。


◆取材・文=月山武桜