福士蒼汰主演のドラマスペシャル「神様のカルテ」(夜8:00-9:54、テレビ東京系)の最終話が3月8日(月)に放送される。
同作は、夏川草介原作の同名小説を映像化した作品。24時間365日対応の地方病院で患者と正面から向き合う若き医師・栗原一止(福士)が、患者や恩師との別れ、地方医療の現実を経験し、「良い医者とは何か?」を追い求める軌跡を描く。
今回は同作の著者・夏川にインタビューを実施。ドラマ化への思いや、影響を受けた人物などについて語ってもらった。
――今回、ドラマ化されるという話を聞いた時はどのように感じましたか?
とても大きなボリュームでやっていただけるということでうれしかったです。しかも、1巻を書いたのも10年以上前になりますので、書き続けてきて良かったなと思います。
――2011年と2014年に映画化もされていますが、ドラマ版と映画版で違うと思われる点があれば、お聞かせください。
映画版の時は、私は映像についてまったくの素人ですし、まだ十数年目の医師だったこともあり、すべてお任せして。できあがった作品を見て純粋に楽しませてもらいました。
今回は、事前に脚本を読ませてもらい、めちゃくちゃ面白かった。言葉のテンポや、それを物語の中に配置していく流れが、私のイメージしているものと非常に一致しているような気がしました。
私が作品を書く時に大切にしているものの一つは、ユーモア感覚。映画ではどちらかと言うと、人の命にシリアスに向き合う面がやや強めでしたが、今回はユーモアとのバランスがあり、また雰囲気が違う。原作に近いものになっているんじゃないでしょうか。
――本作には、医療関係者ではない個性豊かなキャラクターもたくさん登場しますね。一止が病院外で関わる人々とのやりとりは、物語に厚みを加えているような気がします。
医者が主人公、医療を主題にした作品はたくさんありますが、どうしても医療行為だけが特別なものとして取り上げられることが多く、"医者も人間である"という面を描く作品をあまり見ないような気がします。
医者の側からすれば、日常の中に医療行為があり、家族と過ごす時間があり、プライベートがある。特に「神様のカルテ」を描く時は、医療だけが特別なものにならないように、医療と同じくらい、医療と関係ない日常の景色を入れるように気を付けています。
一歩踏み込んで言うと、私自身は医療小説として書いていません。自分の知るある人物の人生を成長とともに描くイメージ。それゆえに、医療者の共感が得られやすい作品なのかもしれません。医療から離れた日常の部分に注目してもらうのも、楽しみです。
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