撮影前は不安が大きかったけど、現場ではお芝居の楽しさを感じることができて、不安を楽しさで塗りつぶしていった感じです。僕が演じた神田は、口数が少ないんです。なので、身体や表情で感情を表現するのが大変でした。
今日がクランクアップですが、撮影を終えた今感じるのは、みんなで頑張って作り上げてきた作品が完成するという喜びと、俳優としての自分はまだまだだなということ。小市慢太郎さん、イッセー尾形さんとお芝居して、これがプロの演技かと身をもって実感しました。
自分は役者の卵にもなってない段階だなと思います。そんな中で、撮影期間中にスタッフさんから「俳優の顔になってきた」と言われたことはすごくうれしかったし、これからもっとお芝居を頑張りたいと思いました。
神田のような部分は、誰の心にも存在すると思います。でも、皆さんは神田のようにならないよう、人生の教訓にしてください!
『走れメロス』という作品は、原作のイメージが強いと思いますが、今回はメロスを待つ側のセリヌンティウスを演じました。監督が「思うようにやればいい」と言ってくださいましたが、やっぱり演じることは難しいです。でも、演じるうちに、お芝居はセリフだけじゃないことに気づいて、セリフに対して自分がどう思うか考えて、その上で表情も意識できるようになりました。
このお話は、スポットライトが当たらない側の気持ちを描いていますが、誰もが体験したことがあると思うんです。学校や仕事、習い事もそうですが、頑張っているのにあの人だけ褒められるだとか…。僕にもそんな経験があります。でも、見てくれている人は絶対にいると思うんですよね。セリヌンティウスの心情がどう変化をしていくのか、楽しんで見てください。
小田:大人に囲まれた現場の中で、海琉は心強い味方でした。
田村:僕も頼もしかったです! 演技で困ったことがあると、ふたりで相談しあえました。
小田:生意気な役だったから、「もっと偉そうにやったら」ってアドバイスしあってたよね。
田村:将聖の演技は、感情がこもっててよかった!
小田:海琉は普段真面目だから、生意気な演技を間近で見ると「こんなこと言っちゃうんだ!」って思ったりした。生で見られるのは、僕だけの特権です(笑)。
田村:僕もふたりでよかったなって思った。イッセー尾形さんからは演技についてもアドバイスをいただいたよね。「ソファに座るときは、足組んだ方がいいんじゃない?」って。
小田:イッセーさんのお芝居の凄さはもちろん、普段の優しさを感じて尊敬しました。
田村:撮影では、体にクリームを塗るシーンが恥ずかしかったです。
小田:長い廊下を歩いていくシーンや塩が降ってくるシーンも楽しかった! 考えさせられる作品で、人を見下したらいけないなって思いました。
田村:この作品から学ぶことがたくさんあると思うので、ぜひ、見てください!
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