――少年忍者として「文豪少年!」というドラマに臨むことが決まった際の心境はいかがでしたか?
川崎:僕たち(少年忍者は)もともと22人組で、ジャニーズでも一番人数の多いグループなんですけど、今回は各話でメンバーそれぞれが主演を務めるオムニバス形式のドラマということで、それぞれの個性を存分に活かせる作品だなと思いました。人数が多いこともあって、(ドラマに出演するメンバー)全員が輝ける作品を頂けてうれしかったです。
――川崎さんはメンバー全員の出演作の台本も読まれたとのことですが…。
川崎:撮影が終わってからなんですけど全部読みました。ただ、文豪の皆さんの作品ということもあって、正直理解できていない作品もいっぱいありました。
例えば内村(颯太)の「冬の青い日傘」や、元木(湧)の「雪おんなの風」の終わり方などは理解しきれていないんですけど、その分見てくださるファンの皆さんがいろんな解釈ができる作品が10話集まっているかなと思うので、それぞれで解釈していただければと思います。
――川崎さんの役は、「屋根裏の散歩者」の殺人者が基になっていますが、川崎さんの持つ雰囲気や知的なイメージから「罪と罰」という別の小説の要素も加えられています。すごく複雑な、哲学的な思考を持つ青年を演じていて難しかったことはありますか?
川崎:「罪と罰」という作品自体、もちろん作品は知っていたんですけど、なかなか手を付けづらいというか。ちょっと遠目に置いてしまうような作品だと思うんですが、主人公の設定は「罪と罰」から持ってきて、お話のベースは「屋根裏の散歩者」でという混ざり方なので、難しいところは正直たくさんありました。
普通では理解しづらい人間の思考と言いますか、「人を殺してもいい」っていう考えを持っている人はもちろん周りにいなかったので、そういう部分を表現しきるれるのか撮影前は不安もあったんですけど、楽しみながら撮影できたと思います。
――原作は阿蘇山に登ろうとした若者のお話でしたが、今回は二人の少年が学校の階段を上がって屋上に行こうとする物語を、全編ワンカットで撮影しました。演じてみていかがでしたか?
安嶋:僕も檜山も初ドラマ、初主演、初ワンカットということで、お互い不安も多かったんです。カットもしないので他の作品と比べて雰囲気も違いますし、それこそ学校で撮影しているので、本当に学校の生活をそのまま撮影したような感じになっています。
なので、緊張もありましたけど今後の自分のためにもなったというか。すごく良い経験だったなと思います。
檜山:すべてが新しいというか、慣れない環境でやらせていただいたんですけど、(安嶋との)W主演ということもあったので、お互い相談したり、(台本の)読み合わせをしたりしていました。
ここの二人は8~9年一緒にいるんで、(心理的な距離が)近いからできたというのもありますね。親密度というか信頼関係もあるのでとても楽しくできましたし、(ワンカットのような)新鮮な形でやらせていただいてとてもありがたかったです。
安嶋:僕ももともと(檜山と)信頼関係があったので安心したんですけど、どちらかと言うと(檜山から)質問攻めにされることが多かったんですね。「僕も質問したいのにな~」っていうのもありつつ(笑)、何とかやっていけました。
――演じる上で一番難しかったのはどんなところですか?
安嶋:僕はもちろん、あんぱんの紙を後ろに投げるっていうことが一番難しかったんじゃないかなと思いますね。
――ワンカット撮影の中でそれをやるとなると緊張しますね。
安嶋:そうですね、いわゆる“バカッコイイ”ってやつですか? それをやらないといけなかったんですよ。
――本当に(ワンカットの中で)投げて入れられたんですか?
安嶋:一応やってます。トライはしました!(笑) 映像で見てもらえれば(ちゃんとできたのか)わかりますので!
――今回のワンカット撮影は5回目でOKが出たそうですが…。
安嶋:何回も繰り返したんですけど、最後の撮影の時に「はっちゃけていいから、全部出してやってみて」って言われて。それが何だかんだ一番良かったんですよ。
檜山:そうですね、何も考えずに出来たから変に固くないというか。「演技っぽくない」という言い方も変かもしれないですけど、リアルな感じの“ザ・高校生”という演技ができたのかなって思います。
――ある種奇っ怪で異様な世界観の作品で、見どころで言うとまず「女装」ということが挙げられますが(笑)、女装をすると知った時と、実際に演じてみての感想を教えてください。
深田:やっぱりみんなそこで衝撃を受けると思いますよね(笑)。最初(に聞いた時)は女装をしたことがないですし、すごく楽しみだったんですよ。以前織山(尚大)くんも別のドラマで女装していて似合ってたので、「俺もあんなかわいくなれるのかな?」と期待を持って行ったんですけど、何か…みんなに笑われましたね。
一同:(笑)。
深田:俺ちょっとタッパ(身長)がわりと大きい方なので、ヒールを履いたら180cm近くなってしまいまして。ガタイもすごく良くて、もっと小柄でかわいい子になりたかったなと。
――でも、ものすごい美人でしたよ?
深田:ありがとうございます! その言葉にすごく救われますね(笑)。
――深田さんの女装に「自分だったら勝てる!」という方いらっしゃいますか?
元木:はい! 絶対勝てますね。まだ(深田の女装姿は)見てないけど、絶対この中だったら一番かわいいと思う。昔言われてたんですよ、「女バス(女子バスケ部)にいそう」って。肌黒かった時にスポーツ女子のような感じだったので、マジで似合うと思います。
川崎:深田の写真見たけど、そのままでの(元木)湧の方が可愛かった。
深田:それはおかしい! 俺メークもバッチリ決めてるからね!
――檜山さんと内村さんも手を挙げてましたが…。
内村:僕はお母さんから「女装した方がいいんじゃない?」って(言われました)。実際お母さんに顔が似ていて、髪型を変えれば妹にもお母さんにもなれます(笑)。自身ありありです!
檜山:僕もそれこそワックー(元木)から「お母さんに似てるね」ってよく言われて。帽子とマスクしたらモロお母さんって言われてるので、自信あります! ちなみにお母さん美人です(笑)。
――織山さんご自身はお芝居の経験がある中で、今回の撮影に入る前に原作を読まれたり、台本を読み込んできたりすごく準備されている印象がありました。実際にはどんな準備をされていましたか?
織山:今回外科室のある洋館で撮影したんですけど、台本を見た時、イメージはできたもののそれが100%で現場にあるとは思えなかったんです。なので、逆にあまり考えずに現場に臨みました。
撮影までに、(今回演じた)高峰くんの役作りはしっかりやっていったんですけど、やっぱりそこ(現場)が特殊だったので現場で知ることが多かったです。
――織山さんは全話を通じて最初にクランクインされたそうですが、そのあたりでプレッシャーはありましたか?
織山:さっき(プロデューサーの)井上さんと話した時に「プレッシャー無かった?」って言われたんですけど、最初に現場に入った時に「これが一発目だから!」ってプレッシャーをかけてきた張本人がそれを言うのはどうなのかなって…(笑)。
その時僕「めちゃくちゃ頑張らないとヤバいやつだ」と思って。もちろん「最初だからちゃんとやらなきゃ」っていう思いはあったんですけど、さらに井上さんがプレッシャーかけてきたので「ヤバいな」と…。
井上P:織山くんの作品に向き合う態度が、スタッフの感じる「少年忍者」のイメージになるから「大事だよ」と。織山くんはプレッシャーに強そうだし(笑)、プレッシャーかけた方が頑張ってくれる子かなと勝手に予想して。
織山:(おかげさまで)ちゃんとできました。
井上P:初日からすごく台本を読み込んで、しっかりやってくれたので、本当にこのシリーズ(の土台)を作ってくれたなと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)