――カップリングとしては「天」が収録されました。開放感のあるポップナンバーで、ファルセットや転調といったビッケさんらしい要素もありますが、「ポニーテイル」に通ずる空気感があるなと思いました。
この曲は「ポニーテイル」のちょっと前の時期に作ってるんです。だから、今に行き着く途中段階というか、最近のムードの一つ前。曲作りが熟達していく過程の中で生まれてて、この2曲が並ぶのも面白いし。「天」は歌詞に横文字があったり、転調もしたりしてるけど、「Ca Va?」とかに比べるとまろやかになってますよね。
――「天」は「帰る場所はわかってる 頑張ろうって思ってる」や「長い夢が 眠りを目覚めたら みんなと話したいな」といったフレーズがあって、コロナ禍の今を歌っているようにも聴こえました。
そう言われるんですけど、この歌詞を書いたのはそのちょっと前だったりもして。それが偶然、今とリンクした感じ。不思議ですよね。
――シングルというサイズですが、ビッケブランカの歴史においてターニングポイントにもなりそうな予感があります。
このすごく好きな2曲をリリースできるのが嬉しいですね。今まで、いろんな表現をしてきたからこそ、ただ一言を落とすだけで十分というか。空手家だとしたら、極めた達人の正拳突きみたいなことなのかな。派手に立ち回った型をしなくても、ただそれだけで美しくてすべてがこめられている。熟達をしていけばそこに近づけるだろうし、そうでありたいと思ってますから。
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