初めての弁護士役で、しかも“勝つために手段を選ばない”という海堂先生は、なかなか緊張感がある役でした。ポーカーフェイスを保つ脳科学者。人に感情を見せない、見せられない、ピシッとしてキリっとしたかっこいい海堂梓というイメージは、常に頭の中に置いて演じました。そうした中で、「感情は魔物だ」というセリフはすごく印象的で、誰しもが魔物になり得る可能性を秘めているというところが、この物語の一番面白いところでもあると思いました。
でもやっぱり弁護士という役は大変ですね。その人を弁護するというのは、言葉で人を引き付けてやっていかなければいけない、言葉を巧みに武器にして、そして相手のいいところも悪いところも全て受け入れなければいけない、犯罪者も被害者も弁護しなければいけない。その心の葛藤もあるだろうし、人と人の向き合い方もあるんだなと弁護士のイメージがどんどん変わっていきましたね。その中でも結構ドライな海堂だったので、そこは楽しくやらせていただけました。
「裁判は勝った方が真実」だと勝ちへのこだわりを持つ一方で、自身の正義も貫く。そういうところが海堂の魅力ですが、その中で甘いものが大好きで、何かにつけて助手のくる実とスイーツを楽しんでいる意外性、普通の人間っぽいところもあるキャラクターです。ギャップも彼女の魅力の一つだと思ってやっていました。
弁護士の法廷ドラマに脳科学がプラスされてるというのは、心理戦だったり人の行動を通していろんなことが見えてくる展開で、一歩先をいっていると思うんです。海堂は人のことを深く見ている、それが武器として二つ合わさった法廷ドラマとしての物語展開が、このドラマの魅力だと思いますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
撮影期間はあっという間でしたが、1日1日がとても濃密な時間でした。斎田はまっすぐな男です。彼なりの正義感があって、不器用ながらも前に進んでいく姿には好感が持てましたし、気持ちよく演じられました。奈緒ちゃん(松下奈緒)とは以前も何回かご一緒していますが、すごく安心感のある方なので、また同じ作品で演じられることを楽しみにしていました。おかしな言い方ですけど、役者としてという以前に、人としてすごく信頼しているんです(笑)。
前回は夫婦役での共演だったので、常に互いを支え合うよき理解者という間柄でしたが、今回は全く違う関係性で。対立するところから物語が始まるので、また新鮮な気持ちで向き合うことができたように思います。そういった関係性も含めて、楽しんでお芝居をさせてもらいました。斎田というキャラクターが、作品を見てくださる方と同じ目線で事件を追っていくような役なので、ぜひ一緒になって、一体何が起こっていて、誰が黒幕で、事件がどう転がっていくのか、推理しながら楽しんでいただきたいです!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)