沙也加役は、楽しむという余裕は全くなかったです。なかなか、現実的にはほぼありえない役で、心情が全く分からないものですから、本当に手探りで。監督の指示のもと、作り上げたという感じでした。沙也加が大きな決断をしたところは、魅力的かなと思いますね。台本を読んでいる段階から、役の気持ちで読んでしまったものですから、ものすごく入り込んじゃいました。私的にはものすごく落ち込む、悲しすぎる役でしばらく立ち直れないくらい悲しかったんです。だから、その部分を大事にできたらと思いながら演じていました。
どのシーンも全部悩みましたよ(笑)!ものすごく難しかったですね。映像が仕上がったらどうなっているのか、私も全然想像がつかないです。 今までさまざまな弁護士ドラマはあったでしょうけれども、今回は脳の部分からとらえて脚本が書かれていたので、読み物としても面白かったですし、新しいアプローチのドラマなんじゃないかなと思っています。
鹿島は生きてきた人生の中で、正義と悪という清濁併せ持ったものを、一つの経験値として持つ芯のある男。内面には、じくじたる思いもあるので、後進たちを温かい目で見ながら、この世界でどうあるべきか、どう生きていくべきかを、共に見つめ、目指していくという気持ちを大切にしながら演じました。あまり演じたことのないキャラクターだったので、でき上がった作品を見て、「え、こういうキャラクターなの!?」と驚かれると、ありがたいなと思います(笑)。
裏テーマが、誰しもが持っている感情。ドラマの中でも、「感情は魔物である」というセリフは印象的でした。普段、我々は感情に動かされているのか、それとも感情を自分でコントロールしているのか。この作品ではそういう要素が一つの核になっていて、 まさに今の現代社会でも、普段気づいていない感情の魔物の存在に気づかされると思います。
弁護側には弁護士がいて、そこに検察が対峙する。今回はまさにそうした二つの局面を描いたドラマになっていて、最初に台本を読んだ時には「おー!」と唸りました。自分の日常の“感情”と向き合いながら見ていただくと、より一層面白いんじゃないかと思います。
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