――努力をしていても稼げない人がいますが、稼げる人との違いは何だと思いますか?
人間力だと思います。人から好かれるか好かれないか、愛されるか愛されないか。いくら努力しても稼げない人は恵まれていないんだと思う。やっぱり人から愛される、信頼を得ている人は努力もあるけど、周りが助けてくれるから。
どれだけ努力していても、助けてあげたい、投資してあげたいと思われない人は、売り上げも伸びていかない気がします。
――では、人間力を高めるにはどうしたらいいですか?
常に素直でいて、怒られたらすぐに謝ることができることは重要だと思います。そこでいじけたり、逆ギレしたりするのは違いますよね。私もよく怒られる方でしたが、すぐに謝ることができるタイプでした。それはすごく大事なことで、トップになる人って怒られると「何でそんなこと言われなきゃいけないの?」と思ってしまう人が多いんですよ。
でも、どれだけ出世しようが自分というものは変わってはいけないと思っていて、極端な話、知り合ったばかりの人に怒られても謝ることができる人を、私はリスペクトしています。
ただ、ノーと言える人間でいないと経営者は難しいと思うので、正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると言えるような、ドラマで言うと“半沢直樹のような人”でいることが大切だと思います。
私、ドラマ「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)と「半沢直樹」(2020年ほか、TBS系)は絶対見るように従業員に話すんですよ(笑)。役に立つ部分が多くて、本当に見てほしい番組ですね。
――処世術で人の話を聞く大切さをよく耳にしますが、聞くとはどういうことですか?
聞くというのは耳から聞くんじゃなくて心から聞く。まずは相手の言っていることを受け入れて、否定したり話の腰を折ったりはしないし、聞いている時にこの人はこう思って言ってくれているんだというのを考えながら聞く姿勢が必要です。
そしてすごいなと思ったことは実践することが大事で、私の場合はすぐにマネしますね。どんどん自分のものにした方がいいと思うので、日々勉強だなと思っています。
――キャバクラ嬢から経営者に転身されたことで、考え方など変わったことはありますか?
キャバクラは自分が商品でお金を稼げばお給料がもらえたので、そういう意味では責任感が薄かったと思います。でも、今は稼げるように人を育てていかないといけないので、考え方はだいぶ変わりました。自分さえ仕事ができれば良いというのは経営者ではないんですよね。
しかも、従業員を全員見ることはできないので、任せられる人間を見つける必要があって、人を見極める力がすごく大事。一つの基準としては向上心が高い人は信用できるので大切にしています。
ただ、今はダメでも育てたら成長できる人も大切で、それを見極めるのは私の仕事なので、やっぱり視点はだいぶ変わりましたね。
――最後に、もうすぐ各企業に新社会人が入ると思います。せっかくなので、4月から社会に羽ばたくフレッシュな新社会人の方に向けてアドバイスをお願いします。
新しいことにチャレンジするに当たって、相談できる人を見つけることは大事だと思います。職場は最初すごく人間関係が大変で、そのことに悩んでいる人も多いから、まずは頼れる人を見つけるところから始めてみるといいのかなと思います。
◆取材・文=永田正雄
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