――この舞台を経て、女優として脱皮できそうなところは?
台本の読み方からして変わるんだろうなって思います。これまでみたいに読み込まなくても成立するというか…読み込まないほうが成立する時もあるんだなって。やり方は一つじゃないなってことが分かったので。「ああ、これはこういう作品だから、こう見せたほうがいいだろう」みたいなことが、少しずつ分かるようになった気がしますね。まだ理解の途中はありますけど。
――昨今では舞台での活躍ぶりが目覚ましいですが、ご自身が舞台に感じている魅力ってどういうところですか?
舞台をやると『自分にもこれができるんだ!』という発見が、毎回必ずあるところが好きです。煮え切らないまま終わるんじゃなくて。もちろん、舞台に出始めたころは悔しい思いで千秋楽を迎えることも多かったですが、今では『楽しい』で終われるようになりましたし。この経験をどう自分の武器にしていくか、というのを考えられるようになったので。一つ、自分が整理整頓できて、なおかつ成長できる場所が増えたのは、いいことかなって思います。だから、この経験をどこに持っていっても…例えば、映像だったら、どんな撮り方でやるとしても怖じけずにいられるような、そんな余裕のようなものは舞台で培われましたね。
――自分を成長させる、自分を豊かにさせる経験がやり甲斐に繋がっている?
そうですね。私の思考の傾向って、すごくセンチメンタルなんですね。コロナ禍もあって「なんのために生きてるんだろう」ってすごく考えた時期もあったりして。その時に、「どうせお仕事をするんだったら、必ず毎回得るものがあることをしたいな」って思ったんです。ささいなことでもプラスになるような人生にしていけば、おばあちゃんになった時にきっと豊かだなって。
――それを大きく実感できるのが舞台のお仕事だと。
そうですね。まだ経験は少ないですけど。でも、例えば、しゃべり方や発声の仕方だけでも、大きな声を出すことは訓練になるし。そのおかげでテレビに出た時に前よりは滑舌が良くなってますし。最低でも1カ月は練習できる期間があって、そのあとに本番も複数回やるものなので、必ずそういうプラスがあるんです。いきなり本番じゃなくて、ちゃんと練習・本番が必ずあるのがうれしいです。
――ちゃんと準備して、コツコツと積み上げて、その結果として成果を出していくことが向いている?
向いていると思います。過去はしっかりと練習できていないのに表に出て、「できてない」って言われちゃうことが多かったなって、ハッと気づいたんですよ。「できない」じゃなくて、やったことがないことをやらなきゃならなかったからだって。「ちゃんと自分でもできるんだ」って思わせてくれたのが、舞台だったんです。すごく自分を救ってくれたんですよね。
――自分の自信にもなったんですね。
なりましたね。「できなくないんだ」って。「訓練すればちゃんとできるんだ」って事実は、すごく救われました。だから、これからもライフワークにしていきたいです。最低でも年に1作品は出て、自分を高められる場を持ちたいです。自分を訓練する場だと思っているので。
――訓練の先に持っている目標ってあるんですか?
本当にエンターテイメントができる人材になれれば(笑)。自分を育てていきたいですね!芝居だけやります!ではなく、テレビ出ません!でもなく。いろいろなことにチャレンジし続けたいんです。もともと、自分はそういうエンターテイナーの方々をカッコいいなって思っていたので。いろいろなところで楽しいものを提供できる人になりたいです!
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