<24 JAPAN>唐沢寿明、胸に秘めた思いを明かす「日本版を作っていく過程は面白かった」

2021/03/25 23:00 配信

ドラマ

クランクアップを迎えた唐沢寿明(C)2021 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

唐沢寿明が撮影を振り返る

――1年にわたる撮影がようやく終わりました。今の心境を教えていただけますか?

大河ドラマでクランクアップしたときも「あと2,3年できそうだよな」って思いましたけれど、実は今も終わった感じがあまりしないんですよ。長期間の撮影に慣れていて、まだ体が元気だからかな?(笑)。

全編を通して追い詰められる役ではありましたけど、現馬はそういう状況に追い込まれる仕事をしている人間ですから大丈夫でした。逆に一般の人なのに、巻き込まれてしょっちゅうさらわれ、殺されかける現馬の奥さんと娘を演じた木村多江さんと桜田ひよりさんの方が、大変だったんじゃないかなと思いますね。

――撮影が始まった当初、「獅堂現馬は普通の男だ」とおっしゃっていました。そんな男と1年間向き合う中で、新しく得た印象や発見などはありましたか?

今でも、彼はやっぱり普通の男だと思いますね。「24 JAPAN」の元になったオリジナル版のシーズン1も家族の話が中心で、テロリスト側の事情にもその骨組みが存在しているんです。そういう物語だからこそ、分かりやすい迫力はない。そんなこともあって、日本語吹き替え版では迫力を足すために、勇ましい声を採用していたじゃないかと思うんですよ。

だから、その印象のまま今回の「24 JAPAN」を見てくださった方々は、ちょっと「うん?」と思われたかもしれません。でも実際、キーファー・サザーランドさんもシーズン1ではしょっちゅう叫ぶわけでもなく(笑)、普通の男を演じてらっしゃいました。

――そんな獅堂現馬を演じているとき、唐沢さん自身の心境はいかがでしたか?

これまでで一番難しいと感じた作品でしたね。当然だけど、オリジナル版と同じようにはできないですし、そもそもやると決めた時点で賛否両論あることは覚悟していましたから。なにせオリジナル版は世界的に大ヒットした作品で、ほかのリメイクとはちょっと次元が違いますからね。

根強いファンもたくさんいますし、オリジナル版と比べて物申したい人もいるのは当然だと思うんです。そういう意味ではハードルが高すぎる! でも、それほどの作品だからこそ面白いし、挑戦しかいがありました。僕はそういう“0か100かの賭け“で勝負する“自分との戦い”が好きなんですよ。