――では、アルバム新曲について。まず、ユニット曲を除いた5曲の中で一番お気に入りの曲を教えていただけますか。
全部好きなんですけど、「恋愛Destiny〜本音を論じたい〜」はもう振り付けが入っている曲なんですよ(初回生産限定盤Blu-rayにて本曲のパフォーマンス映像を収録)。本当なら中止になってしまった去年の春ツアーで披露する予定の曲だったので、それくらい前から作っていたアルバムなんですよね。とにかく勢いがあって、イントロがめちゃめちゃライブ映えするというか。「本日、初披露の曲です!」と言った瞬間に「ドン!」とイントロがかかる予定だったので、それがなくなってしまったのは残念です。でも、そういう形の初披露ではなくなってしまったけど、自分たちの中でくすぶっていた曲というか、早く世に出したいという思いが強かった曲なので、こうして聴いていただけるようになってうれしいです。
トラック構成でいうと、1曲目にマイナー調の「愛してナンが悪い!?」がくるのもいいですね。格好いい曲なんですが、こういうマイナー調の曲ってだいたい真ん中か後ろあたりのトラックにくる気がしていたので、聴いてみてちょっと驚きました。しかも、歌割りが今までにない感じで、(牧野)真莉愛が歌い出しを歌っているんです。
今までだと歌い出しはユニゾンか譜久村さん、私が多くて、真莉愛から始まる曲って本当に珍しいと思います。しかもアルバムの1曲目なので、「このアルバムは真莉愛から始まるんだ」って、すごく新鮮でした。
――そういうのって本人もうれしいでしょうね。
うれしいですよ。とても上手だったし、真莉愛の去年(2020年)1年の成長が分かりますよ。
――「泣き虫 My Dream」はイントロからラブソングという感じが直球で伝わってくるきれいな曲ですね。
そうなんです。きれいな曲だしキラキラしているんですが、雰囲気や歌詞は切なくて、ちょっと後ろを向いているような。でもその感じが人に寄り添う気持ちを思い出させてくれる歌だなと思います。レコーディングのときも、そういう人に寄り添う気持ちで歌いました。
――聴いていて、コンサートのラストにきそうな曲だなと思いました。
ああ、分かります!ライブが想像できる曲ですよね。そういう意味でいうと「このまま!」もアゲアゲな感じで、聴いているだけでステージで弾けている光景が浮かんでくるんですよね。
――ちなみに私がこのアルバムで一番好きだったのが「Hey! Unfair Baby」でした。バンドサウンドがアルバム全体の中で引き立っていますね。
いいですよね。つんく♂さんもこの曲が大好きなんだそうです。恐れ多い言い方ですが、つんく♂さん、まだこんなに新しい引き出しを持っているんだって。モーニング娘。だけでも20年以上も音楽を作っているのにまだまだ変化していって、毎回驚かされます。本当にすごい方だと思います。
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