モー娘。の歌姫・小田さくら ニューアルバムで感じた“個”の成長「14人の1人でなく、私という1人」の意識

2021/04/01 11:00 配信

アイドル インタビュー

個性際立つ3曲のユニット曲


――恒例のユニット曲は3曲。小田さんは「信じるしか!」(生田衣梨奈石田亜佑美、小田、加賀楓森戸知沙希、岡村)に参加されていて、リリース発表のときのコメントでお気に入りの1曲と挙げていました。どういうところが刺さったのでしょうか?

最初に聴いたときはまとまっている曲という印象だったんですが、聴けば聴くほど型破り過ぎな曲だということが分かってきたんです。落ちサビの前にCメロがきたり、サビなのに急に静かになったり。よく聴くと構成が普通じゃないんですよ。後ろのインストはAメロBメロ、CメロDメロ?これ何メロ?みたいな感じにもなるんです。

特に好きなのが間奏明けの部分で、そこは私のソロから始まるんですが、フレーズが進むごとにユニゾンになっていって、岡村ほまれちゃんがバンッてアクセントとして入ってくるんですよ。そういう声の使い方がすごくオシャレで面白いなって思います。あと、コーラスも。私は2016年からコーラスを担当しているんですけど、この曲は過去イチしんどかったコーラスで、それもあって思い入れが強いです。

15期メンバーの岡村ほまれ。ユニット曲では小田さくらと同じく「信じるしか!」に参加


――ドラマチックなメロディーですよね。6人が並んで歌うのかな、というイメージが出てきます。

それが違うんですよ。「信じるしか!」はダンスナンバーで、つんく♂さんのイメージではめちゃくちゃ踊るらしいです。レコーディングのときに「めっちゃ踊ると思って歌って」と言われたんです。

――それは意外ですね。どんな風にダンスを合わせてくるのか、お披露目が楽しみです。

私も振り入れが楽しみです。私は普段、歌を任されることが多いので、ダンスナンバーにも選んでいただけたのがすごくうれしくて。歌を褒められるのはうれしいけど、それだけにはなりたくなくて、ダンス選抜にも入りたいとずっと思っていたんです。まだどんなダンスになるのか分からないですが、頑張りたいです。

15期メンバーの北川莉央。ユニット曲では「二人はアベコベ」に参加


――ユニット曲は他の2曲も個性的です。

とにかく勢いがあるのが「TIME IS MONEY!」(佐藤優樹野中美希横山玲奈、山崎)。格好良い曲で、歌ったあと楽しそうだなって思います。「二人はアベコベ」(譜久村聖牧野真莉愛羽賀朱音、北川)は「この4人の声だなあ」っていう、とてもかわいい曲ですね。

――このアルバムを聴いているとコンサートの光景が頭に浮かんできて、モーニング娘。'21の単独ツアーが楽しみになってきます。ツアー再開に向けて小田さんのお気持ちをお聞かせください。

今開催中のハロー!プロジェクトコンサート「花鳥風月」も楽しいんですけど、単独ツアーは昨年(2020年)すべて中止になってしまったので、早くそちらもやりたいですね。加入してからの8年間は当たり前のように春と秋はグループ単独で、夏と冬はハロコン(ハロー!プロジェクトコンサート)という日常を過ごしてきて、今思うとすごくありがたい日常だったんだなと思います。

中止になった春ツアーはゲネプロまでやっていて、あとは披露するだけだったんですよね。再開したらまたやればいいという考えもありますけど、新陳代謝が繰り返されるのがハロプロのグループじゃないですか。もしかしたら、次に単独ができるときは同じメンバーではないかもしれない可能性だってあるんです。そう思うと本当に早く今のメンバーでツアーをやりたいと思います。

モーニング娘。'21も参加するハロー!プロジェクトコンサート「花鳥風月」が、現在全国ツアーを開催中

――最後に、今開催されているコンサート「花鳥風月」について教えてください。

「花鳥風月」は今までのハロプロ全メンバーが集まっていたハロコンとは違って、モーニング娘。'21や各グループのメンバーが花、鳥、風、月の4チームにシャッフルされてのコンサートになっています。1ツアーずっとこのチームで回るので、モーニング娘。'21の後輩を見るのと同じようにアンジュルムJuice=Juiceとか他のグループの子たちも注意して、話を聞いて1つの形を作ってきました。それはどこのチームも同じで、1曲限りのユニットではなく、花、鳥、風、月という新しいグループだという感覚です。

見る方たちも新鮮なように、私たちも違うグループの子たちと一緒になって新鮮な刺激でいっぱいです。自分たちの武器を持ち寄って、新しい武器を作って、きっとこのツアーが終わったあとはみんなに新しい装備が増えていると思います。

もう公演に来てくださった方も、できればツアー中盤、最後のほうも見てもらいたいです。それぐらいメンバーの成長が楽しみなコンサートなので、ぜひ足を運んでいただけたらうれしいです。

※山崎愛生の「崎」は正しくは「立さき」

取材・文:鈴木康道