3月10日(金)より全国順次ロードショーとなる映画「スレイブメン」は、映画「電人ザボーガー」(2011年)やドラマ「監獄学園-プリズンスクール-」(2015年、MBS/TBSほか)などで独特の世界観を作り上げる監督・井口昇の最新作。
自主映画を作るさえない青年・しまだやすゆきが、一目ぼれした美少女・小暮彩乃への報われない愛と過酷な運命を前に、偶然手にしたマスクで“スレイブメン”に変身し、運命を変えようと奮闘する姿を描く。
本作の主人公・やすゆきを演じる中村優一にインタビュー。監督・共演者との関係性や撮影の様子、映画の見どころについて聞いた。
■中村優一 インタビュー
――まず、本作に出演することになったきっかけを教えてください。
僕は一度、俳優業を辞めていたので、復帰するにあたって「もう一度、演技の勉強をしたい」と思って、井口監督のワークショップに参加させていただきました。その集大成という形で映画になり、出演できてうれしかったですし、共演者の方はほとんどワークショップに参加されていた方なので、“すごく”短い期間での撮影にもかかわらずコミュニケーションが取れていて、監督によって互いの魅力が生かされた作品になっていると思います。
――ワークショップでは、どのようなことをされたんですか?
1年間くらいで不定期に行われ、「彼女とのやり取り」みたいな日常のお芝居から、最終的には「ゾンビ」の役までやりました(笑)。アクションなどもあって、最初は普通の感じだったんですけど、途中からは井口監督の魅力的な世界観が詰まったワークショップで。「ゾンビ」の時は、みんなで壁一列に並んで反対側まで、特殊メイクもなく「じゃ、個性出して!」と言われゾンビに成り切るというシュールな光景になっていました。終わった後に、みんなが“スッ”と真顔に戻る瞬間がまた面白かったです(笑)。
――(笑)。そんなワークショップで学んだことが、撮影で生かされていると感じた部分はありますか?
監督の演技指導がとてつもなく面白くて、初対面だったら驚いて戸惑ったと思いますね(苦笑)。すでに監督のキャラクターを知っていたので思い切り挑戦できた反面、監督自身が俳優もされているので、監督の演技を見たら「それより、面白くできねーよ」って逆にプレッシャーになりました(笑)。でも、ワークショップで監督に接して、言葉や思いを共有できていたからこそ演じられた部分もあると思います。
――役作りは、監督のアドバイスを受けてされたのでしょうか?
そうですね。やすゆきがボコボコにされて、溜まった思いをお姉ちゃんに対して吐き出すシーンがあるんですが、その「気弱でいじめられっ子で、モテない」という芝居は監督からの指導が厳しかったですね。3テイクくらい撮って、どれが使われたのか分からないです(笑)。また、少しずつ運命が変化していくストーリーの中で、やすゆきの成長する姿も描かれるので、どれくらいの成長や変化を見せるのかというところは、監督と話し合いながら演じました。
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