――そんな奥平さんと演じる純で、似ている部分はありますか?
一つのことに集中すると、周りが見えなくなっちゃうところですかね。僕は洋服のリメイクが趣味なんですけど、作っているとご飯を食べるのを忘れたり、寝るのを忘れちゃったり。それで生活習慣が乱れて、気付いたら朝だった…ってこともたくさんあります。
リメイクは「もう着ないな〜」と思った服を合わせて、生地からというよりも“洋服で洋服を作る”っていうイメージです。自分が着たいと思うものを作るので、買いに行って探し回らなくていい。それがすごくラクです。
――2020年に映画『MOTHER マザー』でデビューして、今作がドラマ2作目。お芝居に楽しさは感じていますか?
映画『MOTHER マザー』の撮影中は、演技の楽しさが全然分からなかったんです。「ただつらいだけじゃん」と思ってしまって。でも、自分の中で“良いな”と思えたシーンがあって、その時の達成感が撮影後も忘れられなかった。特殊な現場だったので、僕が感じたことを正解にしてくれていたんですね。それが、なんだか認めてもらえたように思えて…それで、楽しさを感じました。
また同じ気持ちを味わいたくて、しばらく俳優をやっていきたいなと思っています。いろんな役を演じていって、「こんな役もできるんだ」と思われるような、さまざまな役柄がマッチする俳優になるのが大まかな目標です。
――魅力的な俳優陣と共演してきましたが、尊敬している先輩はいますか?
共演した方は全員尊敬していますが、やはり初めての現場でお会いした長澤まさみさん、阿部サダヲさんは、最初に演技を生で感じた方たち。僕の俳優活動の中でも大きな存在で、いわば教科書的な存在です。吉田羊さんも、目の前で演技を見て、経験の差はもちろんありますけど、僕にはできないことを当たり前にできている方で…これがプロの演技かと思いつつ、悔しいなと感じました。
――今回の「レンアイ漫画家」で演じる純は、10年前の高校生当時の姿です。高校生である奥平さんは、「10年後にこうなっていたい」という気持ちはありますか?
俳優としての目標はありますが、僕はあまり未来のことを考えないんです。考えると不安になっちゃうので。今は高校2年生で、進路をすごく考える時期。それこそ友達もどうすれば分からないと言っていて。もちろん、ちゃんと考えることも大切ですけど、不安なときってありもしないようなことを想像してしまうじゃないですか。「もし、こうなったらどうしよう」とか! それってすごく無駄だと思うんですよね。なので、あまり考えないようにしています。「10年後に何をしていたいですか?」と聞かれたら…「生きているんだろうな」ということしか分からないですね(笑)。生きてさえいれば、本当にそれでいいと思います。
<取材・文=横前さやか>
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