まるで海音と倫太郎のように、2人が語り合う空間は華やかさをまとっていく。その華やかさは、衣装にも表れているそうだ。
石原「海音は海が好きですし、海洋学の研究者でもあるので、寒色を多めにしています。水色とか青系を。それから、環境も配慮して、麻の素材などサステナブルなものも取り入れています。また、メークでも暖色を使わず、今までにない印象を出せたらと思っています」
綾野「倫太郎は御曹司ですが、スーツやネクタイというTPOを意識した服装ではなく、ややオーバーサイズにするなど、風のような軽やかさを意識しています。しかし、この軽やかさは彼がまとっている鎧の一つで、その鎧が海音と出会うことで一枚ずつ剥がされていき、どんどん柔らかいサイズ感に変わっていきます」
石原「春ドラマらしい華やかさと軽やかさがあるドラマで、登場人物みんながオシャレなんです」
その衣装の華やかさは登場人物全員に共通し、それが一人一人の個性にもつながっていると語る。
綾野「登場する一人一人がとても個性的なのですが、個性とはファッションだけでなく、考え方や尊厳を指すと思います。僕はそれぞれの個性がとても美しいと感じているので、ご覧になる方にも『個性的であっていいんだな』『自分の考えをもっと尊重してもいいんだな』と思っていただけたら」
石原「今は苦しい状況ではありますが、ご覧になる皆さまが少しでも軽い気持ちになれたらいいなという気持ちで制作しています。そして、海音たちの生命力が少しでも伝わったらいいなとも思っていますので、どうぞご覧ください」
取材・文=及川静
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