“配役天才すぎ!”中村倫也主演で注目の「珈琲いかがでしょう」原作ファンからも人気の理由

2021/04/19 20:30 配信

ドラマ レビュー コミック

中村倫也が主演を務める「珈琲いかがでしょう」(毎週月曜夜11:06-11:55※第1話~第3話は5分拡大、テレビ東京系)。もともと原作読者の間では「主人公が中村倫也にしか見えない」との声も多くあり、ファン待望のドラマ化となった。実際ドラマ第1話放送後、原作ファンからは「空気感がそのまま」「配役天才すぎ!」と称賛の声が相次ぎ、Twitterトレンドにもランクイン。そこで今回はコナリミサトによる原作とドラマを比較して、それぞれの魅力を探ってみた。(以下、ネタバレがあります)

五感を刺激する魅力的な“珈琲”描写

物語は、移動珈琲店の店主青山一を中心とし、彼の店に訪れるさまざまなお客さんの人生を描いているオムニバス形式のストーリー。丁寧に仕事をしているつもりが誰からも認められないOL、平凡な人生に嫌気がさして死にたくなった女性など、生きづらさを抱えて何かに救いを求めているような人々が、珈琲のよい香りにつられてやって来る。

そんなこの作品に欠かせない、珈琲を淹れる場面。漫画は全体的に緻密な描き込みが多いが、珈琲が登場する場面だけは“シンプルな背景と擬音語のみ”というすっきりとした構成が多い。余分な情報を減らすことで珈琲が際立ち、その美味しそうな一杯に気持ちがぐんと惹きつけられる。

さらに、珈琲を淹れる場面で独特な擬音語が登場するのも特徴のひとつだ。「カリカリ」「ぽふ」「トントントン」「とろとろ」「もこもこもこ」という特徴的な表現により、動作ひとつひとつが神秘的で特別なものに感じられる。

一方ドラマ版では、珈琲を淹れる動作ひとつひとつを丁寧に映し、美味しそうな映像が画面いっぱいに広がることで、湯気や音が視聴者の五感を刺激する。さらに、珈琲を淹れる作業の合間には中村の心地よい語りや客のわくわくした表情なども加わり、より多角的に訴えかけてくる。

“珈琲を引き立たせる”という原作の趣旨に映像ならではの表現が加わり、視聴者からは「画面から香りが漂ってきそう」「飲みたくなってきた…!」という声が多く上がった。