岡田結実「一生下積みだと思ってやっていきたい」女優業への思い語る<インタビュー>

映画「ショコラの魔法」に出演する岡田結実にインタビュー 撮影=金澤正平/ヘアメーク=小坂沙織、スタイリスト=八杉直美

とにかく現場を知りたい


――真っすぐで純粋な子という役柄でしたが、そのために工夫したことはありますか?

実は、直ちゃんは今まで一番掴みづらい役でした。本当なら掴みやすいはずなんですけど、なぜか体と頭がうまいこと動いてくれなくて、かなり苦戦しました。いつもだったら撮影までには役を掴めるはずなのに、クランクインして一週間しても全然掴めなくて…。

――役が掴める状態になるというのは?

自分じゃなくなる瞬間がやってくるんです。「ショコラの魔法」で苦戦していた期間はそれが全く来なくて、“演技を演じている”感じでした。

怖がる芝居をするときに必死さを表現するんですけど、その必死を演じてしまっている状態。演じている最中も「あ、これにせ物だな」と思っていたし、今振り返ってみても芝居くさい演技になっちゃっているんだろうなって思います。でも、その時はそれしか正解が分からなくて、狭い視野でしか物事を考えられていませんでした。

――苦戦している姿が見られるかもしれないと。

一番苦悩している姿がにじみ出ていると思います、恥ずかしい(笑)。クランクイン中に、監督とお話しをしたりして「直ちゃんはこういう子なんだな!」とか理解することができて、ようやく役が掴めました。

もっとできたんじゃないかなと思うところもあるんですけど、「ショコラの魔法」に携わらせてもらえたことによって、自分の中の課題も見えましたし、腹もくくれた気がしました。そういう意味では、出演できてよかったなと思います。

――ドラマなどたくさん出演されていますが、まだまだ足りないと思う部分が?

作品数で考えるとまだまだ新人の領域です。現場に行くと、子役からずっとやっている子とか何年も前から役者をやっていますって人が大勢いて、空気感の読み方とか台本の読み方が全然違うんです。

たくさんの経験を積まれている方は、多くの引き出しから“こっちの引き出し開けますね”とか“あっちの引き出しを開けますね”とかできるんですよ。私は特にその引き出しの数が少ないから、監督から「ここは違う」と言われたときに対応ができないんです。悔しいからこそ、どんな役でもいいから作品に携わりたいと思います。

――もっといろんな作品に出てみたいということですね。

ほとんど出番がなかったでもいいから、とにかく現場を知りたいです。今回共演した桜田ひよりちゃんとかは昔からやっているのを見て、慣れているなとかうまいなとか、こういう技術を持っているんだなとか、間近で見ていて思いました。なので、よりたくさんの現場を経験したいとか引き出しを増やしたいです。

――女優としての今後の目標はありますか。

視野がすぐ狭くなってしまって、演技レッスンでもすぐに泣きの芝居に入っちゃうんです。「泣きの芝居はもういいから、ちゃんと引き出しを増やしなさい」とよく言われるので、引き出しをもっと増やさなきゃなと思います。

あとは、途中で諦めてしまうくせがあるので、自分を追い詰めることを目標に頑張りたいです。一生下積みだと思ってやっていきたいですね。

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