3月9日(木)~20日(月)に、東京・新宿の紀伊国屋ホールで劇団TEAM-ODACの舞台「僕らのピンク スパイダー」が上演される。
本作は、ミュージシャン・hideと彼のファンの間に生まれたストーリーを脚本化。元バンドマンのフリーター・小山秀吉(松本岳)ら、hideを心のよりどころにしながらも日々をむなしく過ごす人たちが、hideファンのオフ会で出会い、自身の人生と向き合って一歩を踏み出していく姿を描く。
今回は、会社員・長内明美(おさない・あけみ)役で出演するSKE48・佐藤すみれにインタビュー。普段、アイドルとして活動する佐藤に、稽古の様子などについて話を聞いた。
――今回の「僕らのピンク スパイダー」ですが、どういったストーリーになっているのでしょうか?
hideさんのファンが集まるオフ会があって、そこを中心とした人間関係や、「ピンク スパイダー」という曲に助けられたり、一歩を踏み出す勇気をもらったりという、ファンがメインの物語になっています。
――演じられる長内明美はどんなキャラクターですか?
人と話しても会話が続かなくて、仕事も遅くて、上司に仕事を押し付けられてしまうような、根が暗い人ですね。
――稽古で演じてみた感触はいかがですか?
ここ最近演じた役柄の中では、断トツと言っていいくらい難しいです。私は明るい性格なので、長内さんの気持ちがあまり理解できなかったんです。あと、台本に“…”が一番多いキャラクターなので、その“…”の意味を考えながら演じています。自分の気持ちを正直に言えなかったり、会話を続けられなかったりという悩みを持つ長内さんが、2時間でどう成長していくのかというところを見守ってもらいたいです。
――稽古は1日何時間くらいやっているんですか?
10時間くらいですね。稽古場にこもって、みっちりやっています。ほぼ1日、日の光を浴びずにずっと屋内にいるから、正直に言うと、稽古期間はあまり得意じゃないんです。
――長時間の稽古をする中で、気分転換にしていることはありますか?
今回の稽古期間は一刻も早く寝ることを心掛けました。普段は夜行性なので夜遅くまで起きているんですけど、寝ないと頭が回らなくなってしまうので。あと、共演者の方々と稽古の後にご飯を食べに行ったりもしました。
――今回は木村敦さんとのWキャストでの出演ということですが。
木村さんを見ているのが、すごく勉強になりました。今回、電車のシーンがキーポイントになっているので、最近は電車に乗っているときによく人間観察をしているんですけど、「長内さんは電車の中にいたらどうするだろう?」と、木村さんと電車に乗って実際にシミュレーションをすることもありました。
――「ピンク スパイダー」がリリースされたのは’98年で、佐藤さんが4歳の時ですが、聞いたことはありましたか?
聞いたことはなかったんですけど、最近は移動時間にずっと聞いています。こうやってファンになって、長内さんの気持ちに近付ければいいなと思います。
――舞台の期間中だから特別にしていることってありますか?
“アイドルモード”をオフにすることですかね。「アイドルだから」とマイナスな印象から見られてしまうこともあると思うんですけど、ちゃんとできるんだと思ってもらいたいです。だから、“アイドルモード”はオフにして、“女優モード”で取り組もうといつも思っています。
――最後に「僕らのピンク スパイダー」を楽しみにしている方へ、メッセージをお願いします。
たくさんの人物が出てくるんですけど、そのぶん「この人は自分みたいだ」と誰かの気持ちに寄り添って見てもらえるんじゃないかと思います。あと、私の演じる長内さんは劇中で一番成長する役だと思うので、注目して見てほしいです。みんなで頑張っていますので、ぜひ見に来てください!
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