――いずれも冷酷だったり、消極的だったりというキャラクターですが、そういった役柄を演じるときのコツはあるのですか?
丘山 口数が少ないキャラクターは、喋らずにいるだけだとただ茫然と立っているようにしか見えないんです。自分に関わることが聞こえたときに軽くリアクションを取る…等々のテクニックもあるんですが、基本的にはずっと自分の中でエネルギーを回している感覚を作っておけば、見え方は悪くないと思います。
――当たり前のことではありますが、舞台の上では一瞬たりとも気を抜かないというイメージでしょうか。
丘山 そうですね。何より、キャラクターに入ってしまえば「喋ってないな」と感じることは絶対ないから。「喋りたいな」と思っちゃったら、その人ではなくなります。そう思ってしまうとすれば、自分の中にキャラクターを落とし込めてないから。キャラクターに入り込めば、“無口でいる”ことも大変なことではありません。
…でも、今回何よりも大変だと思うのは、魔法使いは皆さん、歳がすごい(笑)。そこをどうリアルに出すかが一番の問題だと思います。
矢田 そうですね。現代人の理解の及ばないところですからね、数百年、数千年生きているというのは。
丘山 2000年も生きていたら、何百人何千人と人間を見てきているから、どんな人でも「ああ、そういう人ね」と、興味もないし、驚きもしないでしょうね。どうやってそこまで行こうかと考えたのですが、僕はスピリチュアルなので、そっちで考えた方が早いなって。記憶を持ったまま輪廻転生していると考えると、2000年生きるのはすごく簡単。そう考えると、僕の中でリアルにすることができるんです。
――矢田さんはファウストをどのように演じていきますか?
矢田 ファウストは先生役もしていますし、口数が少ないというわけではないんですよね。皮肉屋で、優しさの表現の仕方がストレートじゃないキャラクターではないでしょうか。例えば本当は優しくしたい、というときであれば、言葉と気持ちのトーンをうまく調節する必要があるのかな。でもそれは技術の話なので、まだ分からないですけどね。どういう風に見えるか、考えながら深めていきたいと思います。
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