「クリエイターズ・ファイル」#71 元祖クイズキング/クイズコンサルタント・鶴岡政栄

2021/04/26 12:01 配信

芸能一般 連載 編集部おすすめ

鶴岡は問題の先の先を読み、時には出題してしまうこともあった。隣はライバル中野氏撮影= 名和真紀子/(c)クリエイターズ・ファイル

寝ても覚めてもクイズ、クイズでした

――他にも必勝法のようなものはあったのですか?
そうですね、クイズ問題の中には常連問題があるのです。たとえば『ガガーリン』『デビッド・ボウイ』はクイズ番組があれば、必ず一度は解答に登場します。そのような答えがそろそろ来るなというのは空気感でわかりましたよ。だから、問題文を読まなくても、答えが先にわかってしまいますよね(笑)。

――当時は、クイズのことを毎日考えていたのですか?
そうでなきゃ、6回の優勝は無理ですよ。寝ても覚めてもクイズ、クイズでした。当時は、正直もう嫌だというくらい番組で戦わされましたよ。その影響で人に話すというコミュニケーション自体が怖くなった時期がありました。話している相手が突然にクイズ問題を出してくるんじゃないかって怖くなるんです。「クイズを答えている私にしか興味がないのでは、発言する際は解答ボタンを押してからじゃないと発言できないのではないか」などと過剰な思い込みに苦しめられることもありました。いわゆる過剰Q&A症候群というやつですよ。

――そのような体験を今のお仕事に生かしているのでしょうか?
今、私は子どもたちに「世の中ってクイズだらけだよ」と伝えています。すなわち、世の中って楽しいよって。クイズ番組のように形式ばった問題&解答だと頭が固くなりがちですが、実は問題はもっと身近なところにあるのです。本来、クイズというのは食卓でも学校でも家庭でも簡単に楽しめる最強のエンターテインメントなんです。私は常時、クエスチョンマークのシールを持ち歩いています。クエスチョンマークさえつければ、世の中、どんなものでもクイズとなります。クイズはクエスチョンマークで成立します。疑問さえあれば、それはもうクイズです。疑問を抱かない人間は世界にいません。世界の人々はクイズが大好物なんです。さあ、みんなで楽しみましょう。

関連人物