東京2020オリンピックの聖火リレーが5月7日、長崎県で開催。「長崎県庁」から「長崎水辺の森公園」へと向かう海路を、聖火ランナーを乗せた「遣唐使船」が航行し、聖火を運んだ。また出港前には「遣唐使船走行前セレモニー」も行われた。
聖火リレーで使用された「遣唐使船」は、2010年の上海万博開催に合わせて、公益財団法人角川文化振興財団が建造したもの。全長約30m、幅約9.3m、110トンを誇り、当時の歴史的文献に則して再現された。
セレモニーイベントに登壇した、平田研長崎県副知事は「時空を超えて現れた『遣唐使船』が聖火をつなぐことで、国内外の多くの皆様に、未来に向けた日中友好はもとより、世界の人々との友好、平和への思いを共有していただきたい。新型コロナウイルスの状況が予断を許さない状況ではございますが、東京オリンピックを夢や期待を持ってお迎えいただけけますとともに、今後の日本と世界、長崎と世界の友好交流がさらに発展していくことを心から祈念しています」と挨拶。
また、遣唐使の時代の衣装に身を包み登壇した公益財団法人角川文化振興財団の角川歴彦理事長は「悠久の昔に『遣唐使船』は、波乱万丈の荒波を乗り越えて、日本にとって、かけがえのない多くの希望をもたらしました。『遣唐使船』が聖火を運ぶその瞬間が、人々にとって大きな勇気と希望になることを心より祈念してやみません」と、聖火リレーへの思いを語った。
「遣唐使船」には西日本電信電話株式会社代表取締役社長の小林充佳さんが聖火ランナーとして乗船。出港前のトーチキスで、遣唐使船の寄港地となった歴史的にもゆかりの深い五島列島出身の聖火ランナーの山田潤さんからつながれた聖火を手に、およそ20分かけて航行し希望の光をつないだ。