斉藤由貴が語るように、「警視庁・捜査一課長」の魅力の一つは、刑事ドラマでありながら、刑事役の役者陣がまるでコメディーのような軽妙な会話を繰り広げること。では、演者として、そんなドラマの台本をどのように受け止めているのだろうか?
「この作品は、他の刑事ドラマとは全然違っていると思うんですね。一話の中にたくさんの約束事というか決まり事があります。『水戸黄門』の印籠や、『遠山の金さん』の桜吹雪まではいかないですけど、細かい決まり事があり、そのことをドラマを見る方も楽しみにしているのではないでしょうか。
大福を食べるシーンや、金田さんと私のコミカルな掛け合いがその例ですが、刑事ドラマではたいてい、そうしたコミカルな掛け合いに自由が効かないものです。けど、このドラマではそこを自由に演じられるのが楽しいです。
『ここは楽しめる、遊べる、コミカルなところだな』と台本を読んでいて感じると、撮影ではハッスルしますね。そんなシーンは『芝居をしているな』と強く感じます」
コミカルな部分といえば、平井刑事が大岩一課長から“大福”というニックネームで呼ばれることが挙げられる。犯人逮捕に向け、験担ぎで縁起物の大福をよく食べることから名付けられたということだったが、season5・第4話では、大福に対する思い入れの理由が父親との過去にあったことが明かされた。初期には、大福と呼ばれることを嫌うような描写もあったが、その呼び名に平井刑事はすっかり親しみを覚えているようだ。
「私も最近そのことに気が付きました。最初のうちは一課長から『大福』と呼ばれることを否定したり、無言になったりする感じだったのに、今では喜んじゃってる。これでいいのかな?という話をプロデューサーさんとしたこともあります。
プロデューサーからは、シーズン1、2、3、4と物語が進む中で、登場人物も当然変化していくのだから、『大福』と呼ばれることに対する気持ちが変わっていくのも自然な流れなのではないか、と言われて。じゃあ大丈夫、となりました」
ちなみに「大福はお好きですか?」と尋ねてみたところこんな答えが。
「私自身、大福は好きです!(笑) というか、甘いものが大好きで、和菓子も大好きです。撮影で用意される大福は、毎回同じものではないので、それも面白いんですよ。おもちで作られたものもあれば、ふわふわした大福が出てくることもあり、特注されたずいぶんと大きい大福が用意されていたことや、イチゴ大福もありました。いろいろ出てくるのは楽しみの一つでもあります」
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