5月15日(土)の「世界一受けたい授業」(毎週土曜夜7:56-8:54、日本テレビ系)では、ソフトな語り口が評判で、“イケメン”と話題の精神科医・藤野智哉が登場。コロナ禍に加え、4月から生活環境が変化し、ストレスが溜まるこの時期ならではの役に立つ授業を行う。生徒には、勝地涼、藤田ニコル、森泉、森富美が出演する。
今回の授業では「精神科医がベストセラーから選んだ!ストレスを減らす『心の処方箋』」と題し、心がしんどくなる前にストレスを軽くしてくれる様々な書籍やストレスケアを紹介する。
ーー番組でも多数紹介されているストレスを軽減してくれるちょっとしたヒントが書かれた書籍。書店でも特集コーナーが設置されるなどブームを超えて、定番のジャンルとなりつつあります。そういった現状をどうとらえられていますか?
書籍のトレンドのようなことは専門家ではないので分かりませんが、やはりストレス社会ということは言われていて、患者さんの数は昔から比べれば増えています。
こういう方が増えたなとか、こういう年代の人が増えたなというのは、(自身で)統計を取っているわけではないので明確には言えないですが、コロナ禍では主婦の方の(心の)負担が増えているのではないでしょうか?
リモートワークが進んできた関係で、これまで日中は家に居なかった夫やお子さんがずっと家にいてご飯作る手間が増えたりとか、趣味や外出もできなくなってしまった。そういうことで、負担が大きくなっていると言われてます。
また、お子さんの患者さんも増えています。休み明けに行くのがしんどい。そもそも休みが不規則。去年はそういったことを仰って診療に来られる方は実際多かったです。
ーー家庭や学校、職場などで、ともに時間を過ごす人たちの心の不調を気づいてあげることができるサイン、兆候のようなものはあるんでしょうか?
一番分かりやすいのは、食欲が落ちること。あとは、ストレスが高まると頭の回転が遅くなってミスが増え思うようにいかなくなる人もいます。それがイライラとして出ることもあって、普段はすごく穏やかな人なのに攻撃的で噛みついてくる発言がちょっと目に付くとか。
ほかには、余暇を楽しむことができなくなって、SNSなどに趣味のことを投稿しなくなる。そうすると、話題の幅も減って次第に人付き合いも悪くなったりします。
ーーそういった兆候に気がついたとき、周囲はどんなことができるでしょうか?
やっぱりコロナ禍の中であってもつながりを保つことが一番大事だと思います。特に何かを言ってあげるとかでなくても、本人が何か言いたくなったときに聞いてあげられる状態でいること。誰かに話すことで整理したり発散になったりします。
ちょっとしんどそうな人に連絡するのは、こっちもしんどくなりそうでみんな「また今度でいいか」って考えてしまうと思うんですけど、気になったときに連絡をしてあげる、聞き手になってあげるってすごく大事だと思います。
ただ、聞き手が思い入れを強くしすぎて「今度もっとこうしたらいいよ」とかプレッシャーになるようなことを言って、アドバイスの通りにいかなくて「お前のせいだ」と責められると最悪な形になってしまいます。
あくまで聞き役に徹して、それ以上踏み込まない。本当は踏み込んであげたくなると思うんですけど、ちゃんと距離をとる。僕ら(精神科医)が診療するときも、感情移入すると治療がうまくいかなくなるし、患者さんが僕らに依存しても治療はうまくいかなくなります。
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