“ふたり一役”を演じる井浦新&麻生久美子「(麻生さんの)映像作品はもう全部観ました(笑)」<あのときキスしておけば>

2021/05/14 08:00 配信

ドラマ インタビュー 独占

“ふたり一役”を演じる井浦新と麻生久美子撮影=諸井純二

“ラブストーリーの名手”と呼ばれる大石静が脚本を手掛ける金曜ナイトドラマ「あのときキスしておけば」(テレビ朝日系)で主演の松坂桃李演じるスーパーの店員・桃地のぞむが憧れる漫画家・唯月巴を演じる麻生久美子と、巴の突然の死をきっかけに、彼女と魂が入れ替わってしまった清掃員のおじさん“オジ巴”こと田中マサオを演じる井浦新。見た目は冴えないおじさん、でも中身はセレブな女性漫画家という“ふたり一役”を演じている。何度も共演経験がある2人は自分たちを“同士のような関係性”だというが、一風変わったラブコメディーでの一風変わった共演について、話を訊いた。

――ドラマ『あのときキスしておけば』のオファーを受けたときの感想を教えてください。 

井浦新「ひとり二役の経験はこれまでなかったのですが、この仕事をやってる以上はいつかトライしてみたいという思いがすごくあったんです。でも今回『ふたり一役だ』と言われて、最初はっきりとは意味が分からなかったんです(笑)。ただ、どんな内容だったとしても、やったことのないことに挑戦できる作品になると感じたので、まずそこに対しての喜びが大きくありました。あと、共演者として松坂桃李さんと麻生久美子さんのお名前を聞いて、松坂さんとは初めての共演になりますし、麻生さんとは様々な現場で乗り越えてきた同志のような気持ちがあるので、久々にまた共演できることに対しても嬉しさを感じました」

麻生久美子「脚本を読んですごく面白いなって思いました。でも私の役が1話で亡くなると聞いて、レギュラー出演させていただくのに1話で死ぬって、私はどうやって最後まで出ていくんだろう?って(笑)。しかも私の役が死んだ後、新さんに乗り移るということは私の体はいらないじゃんって。だからもうハテナがいっぱいだったんですけど、だんだんどういうふうに出ていくのかが分かって──」

井浦「分かってきましたね(笑)」

麻生「ね(笑)。それで今は二人でひとりの役を作るって面白さに目覚め、充実してやらせていただいています」

――お互いそれぞれの演技を見てどう思いましたか?

麻生「巴を演じる新さんはすごくかわいいです!(笑)。中身が自分の役のことをそう言うのもあれなんですけど。私のことをよく研究してくださっていて、すごく似ています。口角のあげ方とか表情の作り方、顔の角度、すごく真似されてるなぁと感じて、まるで自分を見ているかのようで少し恥ずかしいんですけど(笑)、すごくかわいいんですよ。ああいう仕草は男性がやる方がかわいく見えると思うんです」

井浦「そうなのかもしれない(笑)。そういうこともやってみないと分からなかったんです。オジ巴として走り始めて、改めて目の前で麻生さんが演じる巴の芝居を見ると、『うわ、全然違う!』って思ったりして、『もうちょっと頑張らなきゃ』って宿題が増えていくんです。麻生さんが例えば3、4日現場に来ない時期があって、自分と桃季くんだけで作ってたりすると、自分が暴走し始めることがあって。キャラクターが柔らかくなり過ぎて甘くなっちゃうというか。カラッとした明るさみたいなものがちょっと足りてなかったなあって、後で麻生さんの演技を見るとすごく気付かされるんです」

麻生「男性なのに甘くなっていくんだ? 不思議」

井浦「そう。きっと男性から見る女性の柔らかさや優しさを極端に表現しようとするとそうなっちゃうみたいで。だから、もっと引いた方が巴に近付けるんだなって思った」

麻生「さすが研究してる! でもその甘い感じもかわいいんですけどね(笑)」