舞台「ピサロ」の日本初演は36年前、1985年のPARCO劇場。山崎努がピサロを演じ、当時無名だった渡辺謙がインカ帝国の王・アタウアルパを演じた。2020年、そして2021年は新しくなったPARCO劇場で、渡辺はその思い入れの深い作品にピサロ役で舞台に立つ。
「僕にとって“PARCO劇場”というのは、キャリアの中で楔(くさび)を打つようなエポック的な作品を演じることが多い場所。去年、『ピサロ』が10回で中止になってしまい、僕らはリベンジと言ってるんですが、リベンジできるということでもう一度奮い立たせてくれる、そういう劇場だなって、一昨日(12日)、この劇場に入った時、あらためて思いました」とPARCO劇場への思いも明かした。
最後は、「今回も上演している期間は緊急事態宣言が発令されている状態だと思います。外出するのもはばかられるような時世の中、僕たちの演劇を見てもらうために足を運んでいただくことに対して、ある意味、胸を痛めていますが、それでもやっぱり僕たちには届けたいものがあるんです! そんな思いをこのカンパニー全員が持っています。大変なことはよく存じておりますので、くれぐれも用心しながら足を運んでいただきたいと思っております。僕らは毎日、届けられるものをしっかりと届けていこうと思っております」というメッセージで締めくくった。
舞台「PARCO PRODUCE 2021『ピサロ』」は5月15日(土)から6月6日(日)まで、東京・PARCO劇場で上演。
◆取材・文・撮影=田中隆信
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