宮沢氷魚が5月14日に都内で行われた舞台「PARCO PRODUCE 2021『ピサロ』」の初日前会見に、主演の渡辺謙と共に出席した。
「ピサロ」は、16世紀に167人の寄せ集め兵を率いて、2400万人のインカ帝国を征服したスペイン将軍ピサロの物語。2020年3月にPARCO劇場オープニング・シリーズ第一弾として華々しく開幕する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で初日を延期し、45回の公演が予定されていたがわずか10回を上演したところで中止となってしまった。しかし、多くのリクエストに応えて、アンコール公演が決定した。
登壇した宮沢は「一年の時を経て、この作品も、出ているキャストの皆さんもパワーアップしています。去年よりもエネルギーのある作品を届けようと思い、稽古に励んで、無事、明日の初日を迎えることができます。一年の間にいろいろありましたし、今もまだ状況は落ち着かないですが僕たちはやれることをやってきました。体調管理もしっかりと行って、皆さんにすてきな作品を届けられるように頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします」と再演への意気込みを語った。
2020年、10回の公演が行われたところで中止となり、悔しい思いをしたが、渡辺の言葉が前向きな気持ちにさせてくれたという。
「去年、中止が決まった時、謙さんが『また会いましょう』とおっしゃったんです。中止になって悔しくて、その思いをどこにぶつけていいのか分からない時もあったんですけど、その言葉を思い出すと、前向きに変われる自分がいました。一年たって、同じ作品を皆さんの前で披露できることがとても幸せです。僕個人としては“再演”というのは初めてですけど、同じ役でもまた違う景色が見えてきたりしていて、ここ何日か稽古場でも、少しですけど、自分の成長を感じる瞬間がありました」と、2020年よりも成長し、手応えを感じていると話すと、渡辺も「かなり成長しています!」と太鼓判を押す。
続けて渡辺は「(宮沢の)衣装を見ていただけたら分かると思いますが、ある種、超越しているんです。神という存在ですからね。それを舞台の上でパフォーマンスするのは非常にハードルが高いこと。僕も36年前に同じ役を演じた時にそれを自覚していたので、去年は相当大変だったと思います。でも今年は、去年演じているので、それありきで始められるので、彼としては“何か足そう”とか“何か引こう”とか、いろんなことを考えられるいい稽古場だったんじゃないかと。僕が演じる役は死を考える老いぼれで、僕は一年分老いぼれたので役に一層近づけた気がしてますし、そういう意味でも今年はいいバランスなのかなって思いますね(笑)」と自身が演じるピサロと、宮沢演じるアタウアルパがいい仕上がりになっていると報告。
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