宮沢が演じるインカ帝国の王・アタウアルパは、36年前に「ピサロ」の日本初演で渡辺が演じた役。しかし「謙さんが演じたアタウアルパは、あえて参考にしないでおこうと思いました」と語った。
「謙さんが演じたアタウアルパと今回僕が演じるアタウアルパでは全然キャラクターも違うと思うし、存在感も違うと思うんです。僕は僕にしか演じられないアタウアルパを演じたいと思い、自分が持っているもの、自分の引き出しを存分に使うためにも、自分自身で考えて生み出すようにしていたので、あえて当時のことを調べることはしませんでした」とその理由を明かした。
そして「謙さんからは『当時、僕がこうだったからこうした方がいいよ』というのではなくて、今回の作品において、謙さんが演じるピサロを通してアタウアルパがどう見えるかというアドバイスをたくさん頂いたので、僕が考えるきっかけを作ってくれました」と渡辺に感謝の気持ちを伝えた。
主演の渡辺同様、今回の再演に向けて気合いも高まっている宮沢。最後は「劇場の感染対策は素晴らしいです。僕たちも稽古が始まる前から気を付けてきました。劇場に足を運んでいただいた皆さんの前でパフォーマンスをするということに対しての覚悟と責任感はおのおのが持っております。僕たちの一年間の思いと努力を、1人でも多くの人に見ていただきたいので、この劇場で『ピサロ』を見ていただけたらうれしいです」というメッセージで締めくくった。
舞台「PARCO PRODUCE 2021『ピサロ』」は5月15日(土)から6月6日(日)まで、東京・PARCO劇場で上演。
◆取材・文・撮影=田中隆信
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