第107回ドラマアカデミー賞で作品賞を受賞したのは「俺の家の話」(TBS系)。プロレスラーだったが実家に戻り能楽と父の介護、家族に向き合う寿一を演じた長瀬智也は主演男優賞に輝き、同作は監督賞、脚本賞とあわせて4部門で受賞となった。受賞インタビュー後編では、磯山晶チーフプロデューサー&勝野逸未プロデューサーに、介護をテーマに親子の物語を描いた脚本家・宮藤官九郎や、数々の名場面を見せた長瀬と西田敏行のエピソードを聞いた。(以下、一部ネタバレを含みます)
――このドラマは、長瀬さんが「父親役で、親子の物語をやりたい」と希望したところから始まったと伺いました。親の介護というテーマには、磯山さん自身のエピソードも反映されましたか?
磯山:そうですね。介護の部分は私の経験も入っています。私の父が「死に方がわからない」と言った話をしたら、長瀬くんはびっくりしていて。「そこから西田さんがそう言うシーンができたのよ」と伝えたら、納得してくれました。
――磯山さんと宮藤さんが組んだ前作「監獄のお姫さま」(TBS系)もそうでしたが、宮藤さんは男性脚本家とは思えないぐらい、女性の本音をとてもリアルに描きますよね。
磯山:例えば、舞(江口のりこ)が「(父親の浮気を)忘れないからね、娘は」と言いましたが、台本打ち合わせのとき、それに近いことは私も話しました。母親ってそういう愚痴は娘にしか言わないものだと。
でも、宮藤さんはそこから「諦めただけで、心から許したわけじゃない」「何でもかんでもコロナのせいにしてんじゃないよ」という素晴らしくリアルなセリフを生み出す。きっと他にもいろんなエピソードを見聞きしているんじゃないかと。その一方で、さくら(戸田恵梨香)が寿一を好きになったときとか、恋愛に突入するヒロインには突拍子もないことをさせることが多いですけど(笑)。
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