草なぎ剛 舞台「家族のはなしPART1」が上演中「お客さんの前に立つというのが、めちゃくちゃ楽しみでうれしいんです」【連載コラム】

2021/05/24 00:00 配信

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「そこは今まで培ったもの全部、出し惜しみせず注ぎ込んで舞台に立つ」

今まで培ったもの全部出し惜しみせず注ぎ込んで舞台に立つつもり撮影=諸永恒夫

 世の中本当に大変だもんね。ずっとこういう状態じゃないですか。だけど、この舞台をやっていると光みたいなものを自分自身も受ける、浴びられる。希望が湧いてくる。暗いニュースばかりだけど、今日もハッピーどうしようかなとか、芝居のことを考えられることがすごい幸せ。僕は舞台に助けられているんです。こんな状況下でも足を運んでくださった方には楽しい気持ちを持って帰ってほしいと思います。
 先日、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)で、京都へ行った慶喜が父・徳川斉昭(竹中直人)の口癖の「快なり」というセリフを言ってたけど、いい言葉。慶喜の中にちゃんと父が生きてる。僕にとって今の一番の「快なり」は真奈美ちゃんと会えていること。舞台「蒲田行進曲」('99年、'00年)のとき、つかこうへいさんの口立てで、毎日10時間くらい一緒に稽古した仲だから、真奈美ちゃんは僕の中で特別な同志。ハッピーをやっていると、突然大きな声を張り上げて高らかに何かを言う、つか芝居に通じるようなシーンもあるんです。そこは今まで培ったもの全部、出し惜しみせず注ぎ込んで舞台に立つつもり。それが僕の「快なり」につながると思います。