山田孝之&牧有太Pが見せた映画「ゾッキ」の“裏”「ピエール瀧さんの現場を邪魔されたくなかった」<インタビュー>

山田孝之撮影:金澤正平

ピエール瀧の報道は「撮影中の現場に起こった“事実”」


――ピエール瀧さんの出演をめぐる一部媒体のスクープ報道についても触れられていました。

山田:撮影中の現場に起こった“事実”ではありますからね。

牧:その報道後にどうやって現場を守るかという対応も含めて、ドキュメンタリーになっていると思います。

山田:あれはとにかく現場を邪魔されたくないという、プロデューサーとしての意識が強かったですね。その上で監督として、現場や役者を守りたかったというのもあって。

牧:役者と裏方とどっちの気持ちも分かっているからこその対応だなと思いました。一番気になさっていたのはピエールさんだと思いますけど、完全にリラックスされていて笑顔も出ていたのは山田さんをはじめとするスタッフ、蒲郡の方々のおかげですね。

――お二人から篠原利恵監督へはどんなオーダーをされましたか?

牧:そんなに細かいことは言ってないですね。蒲郡の人たちが主役であるということ、そこに対峙している3人の監督をどう撮るかということくらいで。

僕は「ゾッキ」監督の山田さんとは深い関係にあるので、僕とは違うフラットな目線で迫ってほしいとは言いました。あと、篠原は映画の現場を経験したことがなかったんですよ。だからこそ、初めて味わう驚きを大事にして撮ってほしいというのは僕としてはありました。なので、僕はなるべく現場に行かないようにしていましたね(笑)。

山田:映画の現場って必ず何かが起こるんですよ。全てがスムーズに行くなんていうことはまずない。僕はロケバスがスタック(ぬかるみにタイヤがはまって動かなくなる状態)したときに、まず篠原さんを見ましたね。「いい画、来た!」と思っているでしょ、っていう感じで(笑)。

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