5月25日にミュージカル「レ・ミゼラブル」の初日記念会見が東京・帝国劇場にて行われた。会見には、テナルディエ役の六角精児、ジャン・バルジャン役の佐藤隆紀、福井晶一、吉原光夫、エポニーヌ役の生田絵梨花、マダム・テナルディエ役の森公美子が登壇。プレビュー公演を終えての感想や、作品に対する思いを語った。
――プレビュー公演を終えて、その手応えと作品に対しての意気込みを教えてください。
福井:なんとかお客様に入っていただいてプレビュー公演をさせていただいたのですが、やはりこの作品を待っていてくれるお客様の“圧”というものを全身で感じました。カーテンコールで、皆さんマスクをして声も出せない中、ありったけの拍手をしていただいて、その熱意が伝わって、この作品の力を強く感じたプレビュー公演でした。
皆さんそれぞれこの一年間苦しんできて、演劇界もすごく苦しい時間が多かった中で、このレ・ミゼラブルがお客様を入れて公演できるという事が、演劇界にとっても明るいニュースだと思うんです。
そんな中で、僕たちはなるべく冷静にというか、いつも通りにやることを心掛けるのが必死でした。やはり僕たちもいろいろな思いがありますが、役を真摯に受け止めて、作品を忠実に伝えるということに集中してやらせていただきました。
吉原:「また帰ってきたな」という感覚がすごくあります。それと「これでよかったんだな」「変わらないんだな」と。一時は、特に去年(2020年)なんかは「どうなってしまうんだろう」と不安が渦巻いていたんですけれど、このレ・ミゼラブルが帝国劇場に帰ってきて、俯瞰して感じることは、「変わっていないものもあるんだな」「変わらずに守られて、温められて、先に進んでいくものもあるんだな」ということです。
すごく安心して、福井さんの言うように、何か特殊なことをやろうとかは思わず、いつも通り舞台が開いていくという事が、ちゃんと日本の日常の中にあるんだなということに、すごく安心したという事が大きいかなと思います。
佐藤:プレビュー公演を終えた時の皆さんの拍手の圧にすごく感動して、本当にさまざまな思いでこの会場まで来てくださったんだというその思いを感じたら、なおさらこちらも(胸が)「ぎゅ~」っと温かくなるような、ありがたい気持ちに包まれました。
去年、いろいろと仕事がなくなった時に、僕たちは自分を見つめ直して、「今こそ研さんして、いつか進化したものをお届けしたい」という思いで自分と向き合ってきました。それが一つ実ったような、そんな充実感もありながら、この思いで、千秋楽まで感染対策をしっかりしながら、皆さんに安心安全な公演をお届けできるように頑張っていきたいなと思っています。
生田:今までの開幕の時は、もうちょっと緊張でふわふわしている感覚だったんですけど、今年はものすごく地に足を踏みしめている感じがします。それは、エポニーヌと言う役に力を借りているのかもしれないですし、今目の前にある当たり前の光景がいつなくなってしまうか分からないということが、現実的な可能性で身近にあるからかもしれません。
今できることを一つ一つ集中して、魂をそこに込めていくということをきっと皆さんそれぞれやってらっしゃると思いますし、私もそういう意識で舞台に臨んでいるので、私たちは「今できることに集中」という思いで、お客様の心を少しでも灯せるように、受け取ってもらえるように頑張れたらなと思っています。
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