――作品の扉となるべき存在は「Fly with me」かなと思います。
「いちばんツルッとキャッチーだし、リズミカルで聴きやすいと思います」
――イントロから思わずハンズクラップしたくなるようなワクワク感があって、MORISAKIさんのボーカルも軽やかなハイトーンから力強さまで楽しめる1曲です。ただ、難易度はかなり高そうですけど。
「難しいです(笑)。もちろん、技術がついてこない部分もあるんですけど、一生残る作品だし、そのときのすべてを注ぎ込んでますね」
――メッセージとしては「パレード - PARADE」にも通ずるようなところですよね。
「そうですね。『パレード - PARADE』がみんなで行進していこうよ、という内容で、この『Fly with me』はあなたと一緒に行くんだよ、っていう。ただ、先ほどもお話したように、エアバスA380について書いて欲しいとSWEEPさんにお願いしたのがスタートだったんです。そうしたら、僕の気持ちを代弁してくれて、こういった内容になりました」
――エアバスA380は世界最大の大型旅客機ですが、これはWINさんのスケール感を表現したところも?
「あ〜、そんなつもりはなかったんですけど、実際はセスナだったらどうしましょうか?(笑)」
――いやいや、そんなことはないと思いますよ(笑)。
「単純に、僕が今ハマっている飛行機がエアバスA380なんです。それこそ、今回のジャケ写に写っている飛行機も最初はボーイング747だったんですけど、そこはエアバスA380にしてくださいとお願いしました(笑)」
――この曲は歌詞の大部分が英語ですが、これはグローバルスタンダードを意識していますか?
「そこは強く意識してるんですけど…そのときに表現したいことをやる、っていう方が強くて。特にこういったダンサブルな楽曲になると、ボーカルも一種の楽器なので、英語で音としても楽しんでもらえたらいいな、ということを含め、英語を多くしてます」
――その後に続く「パレード - PARADE」はやはりいい曲だなと再確認させられました。
「曲が仕上がってから、これだけ時間が経つと死ぬほど歌ってるし、めちゃめちゃ聴き込んでるので、どこがツボなのか麻痺してくるところもあるんですけど、いまだに憶えてるのがデモを初めて聴いたときのことなんです。聴いた瞬間、でっかいステージで歌って、駆け回って光景が見えた。ブワーッとたくさんの候補曲がある中、この曲は絶対にやりたいと思ったんです」
――他にも気になる曲はたくさんあるんですが、「START IT OVER」は最たる曲かなと。今回、ダンサブルで楽しげな曲も多い中、シンプルなアレンジをバックに、語るように言葉を紡いでいく曲です。
「これ、面白いのがデモとしては「パレード - PARADE」と同時にもらったんです。しかも、そのころはガチガチにダンサブルなアレンジ。曲としてはすごく良かったので、フルアルバムには入れたいと思いつつも、どういった方向性にするかは決まってない状態。そんなときにみんなでスタジオへ入って、もともとのアレンジで聴いてたときに、ギター1本にしてみたらどうかな、と思いついたんです」
――また、「Midnight」はWINさんが作詞をされてますよね。
「これ、僕が作詞、SWEEPさんが作曲とクレジットは分かれてますけど、2人で一緒に作ってるみたいな曲なんですよ。曲の叩き出しは僕が作って、トップラインをSWEEPさんがブラッシュアップしてくれて、という」
――深夜に抱える寂しさが綴られた曲になっています。
「家に帰って、深夜0時手前とかになると、結果一人か、と感じることが多くて(笑)」
――ハハハハ(笑)。この曲、イメージとしてはラブソング?
「そう感じる人も多いと思うんですが、抽象的に捉えてもらえたらいいかな、と。一緒に仕事をしている人や仲間って、家族よりも長い時間を過ごすときもあるし。それを恋人と表現したら気持ち悪いかもしれないですけど(笑)」
――でも、それぐらいの親しい存在ではありますよね。
「僕は自分自身を客観視するのを忘れないようにしてて。だから、今日はこれが伝わらなかったな、とか、もっと自分の気持ちを表現するべきだったな、と考えるんです。いつも、そうやって一人で振り返ってたりして」
――そうなると、この曲の世界観は、深夜のWINさんを描写してるような。
「まさにそうですね。ただ、僕はちゃんと諦めずに伝え続けるよ、という。最初に書いたときは、僕はずっと一人なんだ、という感じで終わってたんですけど(笑)」
――救われないですね、それ(笑)。
「まさにそうスタッフから言われて、諦めたくない自分がいるから、それをそのまま加えました」
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)