――「深海WANTED」第7弾のポイントをお聞かせください。
2021年1月にヨコヅナイワシという深海魚が新種登録されました。カラーで鮮明に捉えられた映像がまだ無いということで、この番組は、2000メートル以深のところに深海カメラを沈め、ヨコヅナイワシが泳ぐ姿を撮影しようというプロジェクトを早々に立ち上げました。
エサかごを付けて定点カメラを沈め、そこに集まってくる魚を撮影しようという取り組みは第1弾から続けていますが、今回初めてボックス4面にカメラを取り付けて撮影を行いました。目が4倍になれば、これまでエサかごの後ろを通っていた生き物も捉えることができる。その分発見が多くなるので、これでヨコヅナイワシを撮影したい、というのが今回のプロジェクトでした。
ヨコヅナイワシはまだ見つかったばかりなので全然情報がありません。これまで捕獲された水深は分かるんですけど、情報が無い中で探していくというのはかなりの難問だなと、でもその分やりがいがあると考えて挑みました。
一方、「沖縄美ら海水族館」さんは、無人潜水艇ROVというものを持っていて、この機器で生物を捕獲し、観察することを10年ぐらい続けています。
そんな「深海チーム」さえ危なくて立ち入れない場所がありまして、海の中の断崖絶壁みたいなところですね。操作を一歩間違えると壊してしまうような、そういう危ない地形へ敢えて足を踏み入れてみるという企画です。
誰も見たことがない場所なので、何が出てくるか分からない。案の定、僕も美ら海さんも解説しようがない、見たことがない生き物にたくさん出くわしましたので、これは見応えのある映像になったと思いますね。
僕は、この番組スタッフを「愛と情熱の深海WANTEDチーム」と呼んでいるんですけど、あの方々の情熱はハンパないですよ。ROVも美ら海さんが怖くて行けていないところに行かせるんですから。たぶんシーラカンスを初めて発見するテレビ番組は「深海WANTED」だと思います。
スタッフの並々ならぬ情熱、本当に関わっていて楽しい番組ですね。解説という役割ですけど、そういう仕事を忘れて、一深海ファンとして楽しい時間を過ごさせてもらい、感謝しかないですね。
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