TPD浜崎香帆、藤岡正明との“夫婦役”に「いろいろ妄想を膨らませています」<いつか〜one fine day>

2021/06/05 09:00 配信

アイドル 会見

藤岡正明と東京パフォーマンスドール・浜崎香帆を稽古場で直撃! ●撮影:蒼野星流

――稽古(5月中旬頃、取材)は順調に進んでいるみたいですね?

藤岡正明:ひと通り全部のシーンを当たりました。今は、もう一度頭に戻ってお芝居を細かくブラッシュアップしているところです。

これから歌の部分をチェックして、どこかのタイミングで通し稽古。そして、全体の流れが見えてきた段階で、もう一度お芝居を細かく見ていくのかなと思っています。だから、今は一番試しがいがある時期なのかもしれません。

――藤岡さんは前回(2019年上演)も出演されていますが、やっぱり1からのスタートという感じなんですか?

藤岡:2年間という時間を経ていますし、キャストも変わっています。僕自身も、全くセリフを覚えていませんでした(笑)。だから、割と新鮮な気持ち。新しい感情がどんどん出てきているような気がするので初演のつもりで取り組んでいます。

――浜崎さんは今回からの参加ですね?

浜崎香帆:そうなんです。私が演じる夏目マキという女性はどんな人なのか。台本だけでは読み取れなかった部分は初演の映像を見ながら参考にしています。

でも、見過ぎてしまうとまねになってしまうので、どうやって演じたら自分なりのマキになるのか。今の段階では、とりあえず基盤ができたという感じ。これから、すべてを頭に入れた上で皆さんとどんなふうに作っていけるのか、いろいろ模索しているところです。

――役作りで工夫していることはありますか?

浜崎:桜がきれいな4月頃だったんですけど、ふとした時に自然と桜に目が行っていました。色もピンクがすごく気になったり。まだ、稽古が始まる前の時期だったのに、マキが好きなものを無意識に追い掛けていたような気がします。そういうところから役に近づいていくという方法もあるのかなと思っています。

――再演となる今回は、テーマにも変化が?

藤岡:初演の時に演出の板垣(恭一)さんが、生きづらさを感じている人に見てもらいたいと話していたんです。2019年当時、どれくらいの人が「生きづらさ」というものにリアリティーを感じていたのか。そういう思いや悩みを誰かに吐露できるようなものだったのか。正直、僕自身も実感していたかどうかは分かりません。

ただ、今はあれから2年がたちました。昨年の2月ぐらいから新型コロナの影響を受けて、多くの人が大なり小なり生きづらさを感じているんじゃないかなと思っています。エンターテインメントの世界に身を置く僕も何を発信していけばいいのか、生きていく上でエンタメは必要なものなのか。ぬぐい切れないもどかしさや悔しさを強く感じていました。

だからこそ2021年の今、「生きづらさ」というものに対して以前とは違う受け止め方をするのかもしれない。さらに言うと、今まさに苦しくつらい思いをしている人にこそ見てもらいたいと思っています。

浜崎:今回の作品を通して、人それぞれの生き方があるんだなと感じました。今、私自身が「生きづらい」と感じているわけではないんですけど、人間はいつ死ぬか分からないですし、これからどうやって生きていけばいいのか。あらためて考えさせられました。

藤岡:本作では8人のキャストで、さまざまな人生を描いています。例えば浜崎さんが演じる夏目マキという女性は僕が演じる夏目テルの奥さん。ただ、劇中では既に亡くなっているという設定なので回想シーンに登場します。

マキ自身もそうですけど、選択というものも1つのテーマ。マキに先立たれて残されたテルや、周りの人たちがこれからの人生でどんな選択をするのか。そして、どう歩いていくのか。エンターテインメントですから、誰しもが直面するような出来事をドラマチックに描いていますけど、それでもみんな必死に生きていくんだということも大きなテーマなのかなと思いながら演じています。