これまで「アルキメデスの大戦」(2019年)では数学者、「火花」(2017年)ではお笑い芸人など、俳優として数々の役柄をこなしてきた菅田将暉。そんな菅田が同作で演じるのは漫画家で、菅田自身、ミステリーやサイコホラー要素が入ったジャンルは初めてとなる。また、昨年の一度目の緊急事態宣言解除後、菅田にとって最初の映画の撮影となり、緊張感がある現場で山城という漫画家を悩みながら演じたと振り返っている。
――映画「キャラクター」の撮影を振り返ってみて
山城は、良くある映画の主人公っぽくない主人公。地味だし、自分から派手な動きをしない。だからこそ、そんな人物を中心にいろんな物事が目まぐるしく動いていく。自分が関わっていないシーンがとてつもなくカッコ良かったし、ワクワクしました。
――主人公の山城を演じる上でのアプローチは?
今回は、引き算の芝居に徹底しようと思ってやってたんですよ。漫画家として1個夢を諦めた後の徒労感の中に生きていて、それでも自分が真摯(しんし)に向き合えて表現できるのは漫画だけ、というキャラクターだったので。
――山城を演じるにあたって気を付けたことは?
アイデンティティが足りないことで悩む山城のように、【面白くいたい】【より充実していたい】という欲が人間にはあるから、人に甘えられなく、どんどん孤独になっていく。見てくれた人の中にもそういうことを考える人がいっぱいいると思うので、そこが伝わればいいかなと思いました。
――作品の根底にあるメッセージを読み解くと?
行き切れない人間は、劣等感があると思うんです。だからこそ山城のように、『自分にはそこがないんだな』と思っていた人間が行き切っちゃう瞬間、ドライな怖さというのが、山城を演じているなかであって。これは今までにないな、それがうまいこと伝わっていたらいいなというのが願いでしたね。
――あらゆる場面で“個性(キャラクター)”が求められる時代の中で生きる我々にメッセージを
人からつまらないって言われようと、生きてさえいればいいと思うんです。
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