――「天才てれびくん」シリーズ以外にも多くの子ども向け番組に出演されていますが、子どもに向けてエンタメを伝えるという部分で思うところはありますか?
今って毎日、空気が変わるじゃないですか。つい先週、先々週ぐらいまでは音楽とか映画とか舞台とか、楽しむことが不要不急だって言われている雰囲気があった気がするんですよ。もちろん命に勝るものはないんですけど、皆さんの生活が豊かになることも守らないといけない。そことの整合性を図るのが難しい状況です。
この先まだまだ、向き合っていかないといけないという意味では、小さなお子さんを含めて親御さんも本当に大変だと思うんです。子どもを遊園地に連れていけないとか、ガス抜きさせてあげるって大変だと思うので、僕が子ども向け番組に出演することで、親御さんのストレスを少しでも減らしてあげられる企画になればいいなと思っています。
思った以上にお子さん向けの番組というのが「本当に助けになっているんです」って言ってもらえる機会も多いんですよね。その言葉がとっても励みにもなりますし、こういったことで少しずつ明るい気持ちになってもらえたらなと思います。
――今はツアー開催中で、9月にはイナズマロックフェスも控えています。やはり現状について思うところはありますか?
ワクチンの対応もされていると思うんですけど、年内までに10代、20代の人たちにまで行き届くかと言われるとまだ分からないじゃないですか。ただおびえるだけじゃなくて、どう向き合っていくか考えないといけない時期に差し掛かっている気がするんですよね。
SARSもMARSもあったので、何年か周期でこういったことが現れることを考えると、そのたびに対症療法でやりくりしていても、何年も続けられないと思うんです。なので、どういうふうに経済活動を持続させながら、自分たちの生活を守れるのか、みんなで考えていかないと。
僕自身もツアーをやっていますけど、一つ一つの公演ごとに毎回エビデンスを出して。着席した状態でライブを楽しんでもらったり、場内のアナウンスを変えたりとかしているんです。毎回が実験なので、そこで学べるものを全て次に生かして。それを続けられたら10月か11月には何となく自分たちなりの知見が溜まると思うので、それをこの先も生かしていければと思っています。
――今年ソロデビュー25周年を迎えました。バラエティーのMCやボディビルなど本当にさまざまな活動をされていますが、今後の西川さんはどこに向かっていくんでしょうか?
いただいたきっかけを基に、その場所で全力を割くことだけをやってきたら、いろんなことをさせていただける楽しい人生になっています。
これまでやらせていただいたことを軸にしながらは変わらず。有名になりたいとか利益を得たいとかよりも、これをすることでどういう人に元気を与えられるのかなど、意義について考える機会が最近は増えました。なので、おのずと社会貢献であるかどうかを判断基準に活動させていただくのかなと思います。
だからって政治とかってことではないですよ(笑)。僕みたいな者ができることなんて限られていると思うので。自分ができる範囲で皆さんに喜んでいただけることを、少しずつ増やしていければなと思います。
◆取材・文=鳥羽竜世
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