――紘一は、高橋さんからご覧になってもステキな人ですか?
僕は男として好きです。ぶっ飛んでいるところもあるし、バカだなと感じる部分もありますが、一貫して清潔というか。言葉の選び方もそうです。咲さんと呼んでいたのを、離婚してから初めて咲ちゃんと呼んだり、名前の呼び方一つとってもこだわりがある。気難しくてヘンでもありますが、うまくやれない不器用なところにも好感が持てます。
――貴也の行動は、紘一の人柄に引っ張られていたりもするのでしょうか?
いっぱい影響されていると思います。相手が紘一さんじゃなかったらもっと冷静な戦いになっていた気がしますし、紘一さんって正面で戦える相手じゃないんですよね(笑)。正面に立ったつもりが斜め前にいるような人なので、こちらの意図した戦いができない。だからこそ、ふつふつとした戦意を抱くよりも、咲と紘一はなぜ巡り合ったのだろうか?というようなことを考えさせられるのではないかと思います。
――とはいえ、咲さんはとても魅力的な女性なので、貴也としても諦めきれないところが少しはあるのでは?
普通に考えて、咲のような相手はなかなかいないですよね。美しさだけでなく、社会人としての生き方、結婚、子供についてもしっかり考えていて、とても魅力的な方なので諦めきれないところはあると思います。しかし、貴也としてはかっこよく振られたいし、かっこよく別れたい。もし泣くのであれば、咲がいないところで泣いてくれと思います。脚本を読みながら、自分だったらどうする?と考えたりもするのですが、もし僕だったら本人の前では泣かないし、振られた悲しみは仕事にぶつけます。
――貴也には、高橋さん自身の思いがかなり反映されているんですね。
そうですね。立ち振る舞いには出ていると思います。例えば、貴也ってやたらと家族に呼ばれるんですよね、元カレなのに(笑)。もう呼ばれたら行かなきゃいけないんですよ、脚本に書いてあるから(笑)。そのとき普通に行っていたらおかしいと思うので、ヘンな状況だなと思いながら、「すみません、来ちゃいました」という感じにしています。そういう部分では、僕の価値観がある程度は投影されているのではないかと思います。
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