――現場で出てきた面白いアイデアを取り入れるスタイルも含め、木梨さんは"クリエーションの場を面白く"することを重視しているように思えます。そのスタイルを確立する上で、影響を与えた人はいますか?
木梨:作る前の段階で面白いことを仕掛ける秋元康さんだったり、「ねるとん紅鯨団」(フジテレビ系)のテリー伊藤さんや梁取正彦さんをはじめとしたディレクターたちだったり、俺はそういうチームに結構出会ってるんですよね。
「とんねるずのみなさんのおかげでした」のプロデューサー・港浩一さんは、撮影中「ガンガンいけー!憲武ー!!」って煽るから結果的に撮れたシーンはめちゃくちゃなんだけど、カメラが止まるとメモ帳持って俺のところに来て、「憲武、なんかあるか?」って聞くんですよ!
それで「シーンをつなぐために、こんなシーンを撮っておいたほうが良い」って言うと、すぐにそのシーンを撮影したりして。みんなが面白がってしっちゃかめっちゃかするんだけど、その道を整えてくれる人も近くにいたって感じ。
今挙げた人以外にも、たくさんの監督やクリエイター、アイデアマンがいっぱいいました。このご時世だと難しいけど、そういう人たちと飲んでくだらない話をしながら番組を作っていきたいね。
――実際に「木に梨はなる 〜頭の中の大宇宙〜」初回の収録を終えて、印象に残ったことはありますか?
木梨:カメラマンさんもちゃんといるな、と…。スマホ2〜3台で撮影するんじゃないんだって(笑)。でも、誰もがカメラを回してYouTuberになれる時代に、今回はWOWOWでしっかり作り込むから、久しぶりに会えたテレビのスタッフも多くて、楽しく作れてます。
撮影前の美術打ち合わせや技術打ち合わせもちゃんとやっていて、すごく整った体制で撮影させてもらえている、と思います。
――今後、「木に梨はなる 〜頭の中の大宇宙〜」で挑戦したいテーマや企画はありますか?
木梨:俺が何かに挑戦するのもいいんだけど、この番組を通じて、いろんな分野のトップだったり、出会ったことのない人にお会いできたら嬉しいな。
今度の収録では、いわば"スタイリスト界のボス"である大久保篤志さん、馬場圭介さん、野口強さんに来てもらう回があるし、アート分野でも俺の知らないような若いアーティストに会えそうなんですごい楽しみにしてる。
他にも、スマホひとつでカメラマンになれる時代に、プロのカメラマンはどうやって作品を作っているのかって取材もしたい。分野を問わず会いたい人に会って、俺より先輩の話を聞けたらいいね。
――各界のプロが集まって、いくつものアイデアを盛り込んで高品質な番組を作っていく、というのはテレビの強みなのでしょう。
竹山:僕がこの番組企画を持ちかけたのも、木梨さんが奇想天外な発想を形にして、関わったみんながハッピーになる姿を近くで見てきたからなんです。
木梨さんと遊んでいると、そういう場面がいくつも見られますし、他にも木梨さんのところに行くと面白い人に出会えて、自分の知らない分野の貴重なお話を聞けたりします。でも、世の中の多くの人は木梨さんと直接は遊べないですよね。だったら、それを番組にして、みんなに見てもらえたら楽しいだろうな、と思ったんです。
今は昔と違っていろいろなメディアが出てきたので、視聴者も自分が見やすいものをチョイス出来る時代です。その中で特別感を持って見られるメディアとして、WOWOWが良いんじゃないかと考えたんです。だから、皆さんもWOWOWを見て、木梨さんと一緒に遊んでる気になってもらえたらすごく良いと思います。
――「視聴者が番組を通じて、木梨さんと遊べる」というのが、この番組の魅力ということですね。
木梨:まぁ結果としては、WOWOWの会員が増えたら勝ちなんですよ。
一同:(笑)。
木梨:ジジイになったら、やっぱりそこらへんも知りながらやってるからさ(笑)。でも、番組にはいろんなクリエイターに出てもらって、みんな格好付けて色々なことを言うと思うんだよ。
でも、それぞれが各分野のプロなので、そういう職業に憧れている人だけでなく、何の仕事をしていても聞いておいたほうが良いような大事な話もちょこちょこ出てくると思います。
そこを伝えられたら良いし、俺自身もそういう話を聞けるのが楽しみなんだよね。ということで、みなさん、「木に梨はなる 〜頭の中の大宇宙〜」をよろしくお願いいたします。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)