――ここまで“離婚”や“家族”をテーマに演じてきて、気付きを得たようなものはありますか?
最初に台本をいただいた時に、“1カ月で離婚”になることがすごく衝撃的でした。自分自身が結婚した時は、結構覚悟を持って結婚していたというのもあるかもしれませんが…。ドラマの中では売り言葉に買い言葉で“離婚”というワードがすぐに出てくるので、自分の価値観とは違う部分をどうやって役として割り切って演じるか、というのが自分の中で最初のテーマでした。
演じていて思うことは、こんな軽はずみに「離婚だ!離婚!」ってことは言っちゃいけないんだなということです(笑)。咲はけんかになったら決まり文句のように“離婚”っていうワードを出すんですよ。33歳の女性で、5年という期間付き合っていた人に「結婚できない」と言われた後にやっと紘一と結婚できたのに、なんでそんなこと言うんだろうとか考えると、演じるのは少し難しかったです。
あとは、離婚届ははんこを押したら相手がすぐに提出できてしまうから、すぐに押さないこと!(笑) 私、6話ですごく走ったのに間に合わなかったから…(笑)。
とにかく本当にこの10話で一番言いたいことは、夫婦の数だけ夫婦の形があって、家族の数だけ家族の在り方があるということです。“これが完璧な家族”とか、“これが100点”とかそんなことはなくて、いろいろな形の家族があっていいんだなって思っていただける最終回になっていると思います。
家族っていろいろありますよね。他人だったら気が合わなかったら関わらなければいいんですけど、家族って切っても切れない関係だからこそ難しい問題もある。でも家族だからこそ乗り越えられることもあると思うんです。
リコカツの全10話を通して、すごくハッピーな回もあれば悲しい回もありましたが、改めて自分の家族に対して感謝をした気がします。大切だなって思いました。
――最終回の見どころと視聴者へメッセージをお願いします
9話の最後で、一緒に歩んでいくためにはお互いが変わると決めた二人が本当に変われるのかというところは見どころです。
それと咲にパリで3年間の研修っていう話が上がってきたときに、別居婚は譲れない紘一さんと仕事を捨てられない咲とそれぞれすれ違ってしまっていたけど、最後にどういうところで折り合いをつけて、どうやって二人がやり直すことになるかを注目していただきたいです。
結局お互いのことが好きで、お互いのことしか考えられないってなったときにどうするのかという部分を視聴者の皆さんも気になっていると思うんですが、今まで男女の関係、仕事と家庭の両立といった部分をリアルに描いてきたドラマだからこそ、最後きれいごとで終わらせるのは絶対に良くないって自分たちも分かっているんです。
だからこそ、視聴者の皆さまも「そうきたか」と思っていただけるような台本をみんなで作れた気がしているので、最後の最後まで楽しんでいただけたらと思います。
自分自身今まで職業物で、強い女性で、バリバリ働きます!みたいなドラマが多かったので、こういうホームドラマは初めてやらせていただいたんじゃないかなと思います。だから今回すごく等身大で自然体な役をやらせていただいて、すごく難しいなと思いながらやってきた10本だったんですが、やってよかったなと思う作品になりました。
でもそれは本当に見ている視聴者の皆さまが応援してくださって、この作品をより成長させていただけたからであって、自分たちはやはり見てくださるお客様がいて、この10話のマラソンをここまで走り続けることができたなと思っています。
とにかく見てくださった視聴者の皆さまにはありがとうございましたということと、どうか最終話までお付き合いくださいということをお伝えしたいです。「リコカツ」という作品で自分自身久々に連ドラ復帰できて、本当によかったなと思うので、最終話までどうぞよろしくお願いいたします。
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