――まさに、絵柄はポップなのに、内容はダークというギャップのある作品なのですが、その中で「ハヤト」を演じるにあたり心掛けたことはありますか?
アニメのアフレコに入る際の素材に、絵がついている箇所がありまして、それがすごくカラフルで、(原作を読んで)こんなにカラフルだとは思っていなかったんですよね。キャラクターの線も今まで見慣れていたアニメとは違うように思えて…なんて言うんだろう、“異世界に誘(いざな)われるようなタッチ”の作風だなと。
なので、リアルに演じていったほうがいいのかな? って、思っていたんですけれど、現場では「いや、かっ飛んで!全部もうベッタベタにやるだけやってみてください」って言われたので、「あまりそういうところは気にせずに、この絵と真逆にいけばいいのかな」って思って演じていますね。
松尾拓プロデューサー(以下、松尾P):色彩感覚が絵本みたいな感じですよね。
朴:イメージでいうと、“脳みそをいじられる”みたいな感じの絵というか、ごめんなさい…! うまい言葉が見つからないんですけれど…。単なるバトルアクションが進んでいくアニメではないなって、「え!? ナニこの違和感」って、『興味をそそられる違和感』が、とても爽快で面白いと思いました。
松尾P:この作品はアクションがとても多くて、そこは(制作を手掛けている)MAPPAが得意としている映像快感だし、(城所聖明)監督もこだわっているところなんです。
アクションって、キャラクターデザインとのギャップがあればあるほど、日常シーンとのギャップがあればあるほど気持ちいいというか、監督は「緩急」「フリオチ」っていうのを考えていて…この作品でもあえてビビットな色構成にするように別のクリエイターさんをアサインして荒い作りにしているんです。それを原作者の方にOKをもらえて、監督もすごくうれしかったって言っていました。
たまに「アンパンマン」や「クレヨンしんちゃん」で、“アクション回”や“怖い回”があると盛り上がると思うんですけれど、それってキャラクターデザインや色使い、通常回とのギャップがあるからだと思うんです。
今回の「韋駄天」もそういうことかなって思っていて、キャラクターデザインがすごいシンプルだし、色使いもビビットでポップで絵本みたいだけれども、激しい内容をスタジオMAPPAでやるという…。
朴:なるほどなぁ…。コロナ禍じゃなければ監督や、スタッフの方とディスカッションする時間をもっと密に持てるんですけどね。
松尾P:でも、(朴さんには)監督が作りたいものにすごく応えていただいています。
朴:いえいえ、脳筋なので(笑)。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)