――本作は王道ラブストーリーの中に絶妙な“リアル”が混じっているような気がしています。
そうですね、なのでキスをするにしても普通のキスでは面白くないから、どうしようって悩みました。2話で一度キスしようって決めていたのですが、駿と真柴はまだお互い好きってほどの関係ではないから、どうしようって。「いい人かも」くらいの時に、どうしたらそういう流れになるか、印象に残るキスになるように考えました。
でも、“冷蔵庫キス”はきれいに撮るのが難しかったです(笑)。実は冷蔵庫前でキスする前提でセットを作っていて、そのためにあの場所に冷蔵庫を配置しているんです。きれいに撮っていただいて、うれしかったです。
――真柴と駿、祥吾以外の恋模様についても注目が集まっていますが、いかがですか?
羽瀬と陽人は二人とも30代なので、友達みたいな感じからスタートするっていう大人な恋愛にしたかったんです。香子さんが1話で「一緒に住んでいる方が結婚が早い」っていうセリフがあったので「結婚を意識させる流れにしよう!」と思って、陽人にプロポーズさせました(笑)。9話で振られた陽人に、羽瀬ちゃんらしい選択をするので楽しみにしていただけたらと思います。
香子さんは、私の周りにいる友達のリアルも反映させたりしているんです。50歳を迎えた香子さんがどんな選択をするのかも見届けてほしいです。きっと、「それもあり」となるはずです。一人で生きていける時代だけど、誰かがそばにいたらそれはそれでいいなって思える最後にしたいなと。
――この作品を通じて一番伝えたいことは何ですか?
ドラマのタイトルは「着飾る恋には理由があって」ですが、駿はずっと真柴に対して「着飾らない方がいい」と言い、祥吾は「着飾ってるのも素敵だ」と言う。
でも、どちらもありだと思うんです。無理して着飾るのが辛かったらやめればいいし、着飾るのが楽しいならそれでいいんじゃない?って。着飾る理由はそれぞれですから。
それとSNSをどう見るかという部分です。SNSって勇気づけられる一方で、誹謗中傷されて落ち込むこともありますよね。どうやってSNSという“アイテム”と付き合っていくかという部分も、何か考えるきっかけにしていただければと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)