鉢谷くじらさん(@kujira_b)がTwitterに投稿した創作漫画「推しと出会いたくない女子大生」が、著名人を応援するファンの心理描写が秀逸だと話題を集めている。
大学の軽音サークルに所属する巻坂麻衣。彼女は「シングルまんぼう」という名義で活動するベース演奏配信者のファンで、彼の演奏に憧れて自分も大学からベースを始めることに。しかし、所属したサークルの同期・満井潤一郎が、その「シングルまんぼう」本人であることに気づいてしまう。
ある日のサークル活動中、満井にベースを教えてもらうことになるが、「一リスナーが私生活見てるのも申し訳ないのに!!」と感じている巻坂は、彼の申し出を頑なに断り続ける。「巻坂は俺じゃ嫌だ?」と尋ねながらじっと見つめてくる満井に対し、巻坂は「いくら払えばいいですか」「恐れ多すぎる…対価を払わせて…」と、オタクっぷり満載のリアクションを見せる。
さらに他の回でも“推しの言うことは絶対”だからと、満井の言うことに対して「はい喜んで!!」と居酒屋店員のようなリアクションをしてしまう姿や、満井に優しい笑顔を向けられて熱を出してしまう姿など、推しと出会って戸惑ってしまうファン心理が多数描かれている。
これらの2人の微笑ましいやりとりに対してファンからは「リアクションかわいすぎる」「満井くん鈍感すぎてかわいい…」といった感想のほか、対価を支払いたくなってしまうなどのファンならではの心情描写に対しても「オタクすぎる(笑)」「自分も推しと会ったら絶対こうなる…!」「ファンの鑑!」など称賛の声が集まっている。同作は7月2日時点で4話まで更新されており、累計12.3万いいねを獲得するなど反響を呼んでいる。
今回は、漫画の作者である鉢谷くじらさんに、作品が誕生したきっかけなどを伺った。
――この作品のテーマはどのようにして思い付きましたか?
「推し」と対面するというのは基本的に喜ばしいことだと思うのですが、逆に絶望する人もいて。そんな人を主人公にすれば面白いのでは、というところから発想しました。そこから推しを配信者に、舞台を大学のサークルに、と親しみやすさを感じていただけそうな要素を加えていきました。
――特に気に入っているセリフや場面などはありますか?
どの話もオチに一番悩んで時間を使っているので、思い入れが深いです。特に第2話の4ページ目は一番キャラの本質が描けたのではと気に入っています。
――このマンガについて、特に印象に残っている読者からの反響はありますか?
「会社に推しがいました」「私も推しと同じサークルでした」など、推しとの遭遇経験のご報告を数件いただいたことには、親しみやすいどころではないな…と驚きました。そういうご報告をいただけると、描いている側ではありながらも、主人公たちはどこかにいるのではとリアルなように感じられてとても嬉しいです。
――「推し」がテーマの作品ですが、鉢谷さんもそのような存在がいらっしゃるのでしょうか?
います。友人とお互いの推しの話をするので、その時の反応や感想、目線などを参考にして描いている部分もあります。
――もし鉢谷さんが、この漫画と同じような状況で推しと出会ってしまったらどうしますか?
全力で逃げます。
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