恒松祐里、“体当たり演技”で新ヒロインを熱演「頭がパンクしそうでした」<Interview>

恒松祐里にインタビューを行った ●撮影:宮川朋久

――乃木真梨子を演じる上で、特に意識したことは?

最初の頃に意識していたのは、話し方ですね。あとは、女性の色っぽさはあるんですが、少女のようなあどけなさは監督と相談して作っていきました。本読みの段階ではもっとおしとやかだったんですが、監督からはもっと元気があってもいいよねと言われて、女性らしいかわいさが見えるような演出をつけていただきました。

――自分の中での新しい発見はありましたか?

役を演じる上では全部計算して、こういう表情でこういう話し方にしようと決めていました。こんなふうに決めて演じることってこれまであまりなかったんですよね。女性のしたたかさや野心を表現する役も初めてだったので、計算したらこういうものが出せるんだなと言うのが発見でしたね。衣装さんやメークさんから引き出してもらった部分も多かったなと思いますね。

――演じた乃木真梨子は、美容部員からこの世界に飛び込んでくる役柄。まさに体当たりの演技でしたね。

セクシーなシーンの撮影前はストレスを抱えていましたが、運動をして気分を変えていました。いざ撮影になると、すごく難しくて。体の向きや位置、顔の表情や声の出し方など、やることがたくさんあり過ぎてアクションシーンみたいでした。

「ベッドシーンはアクションシーンだ」っていろんな方がおっしゃるみたいなんですが、いざ体験してみるとその通りで(笑)。撮影が終わった後に思ったのは、たくさんのボールを持ってジャグリングをして、落とさないように頑張り続けるって感じでしたね。頭もフル回転で、なおかつ体も動かすっていう、いっぱいいっぱいな状況でした。振りが決まっているけどアクションシーンとは違って稽古ができないんです。

デリケートなものなので、当日のリハーサルで実際に動きをつけて、すぐ本番の撮影をするので、頭がパンクしそうでした。すごく難しいし、練習が必要なものだなと思いました。こんな動きをしてほしいという監督からの要望もあったので、この手を動かしてからカメラの方を見て…っていうのが難しかったですね。でも山田さんがペースを作ってくれました。山田さんはずっと動いているので汗だくでしたし、かなり大変だったと思います。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

シーズン1から出演されている方は、現場の中で誰よりも役のことを分かっているので、役がこういう行動をするんじゃないかというのが分かるんですね。山田さんは台本以上に自分でセリフを付け加えてアドリブで話していて、山田さん演じる村西からしか出ない言葉がそこにはあったので、役を極めるってこういうことなんだなと思いました。

――やはり、山田さんのお芝居には圧倒されましたか?

村西が借金をして、みんなの前で開き直るシーンがあるんです。そのシーンの山田さんは鬼気迫るものがあって。セリフもあるんですが、ほぼアドリブでしゃべっているんですね。それが本当に村西から出る言葉のように感じられて。見ていただければ分かるんですが、ひとり語りの長いシーンなんです。

現場では段取りでお芝居を初めて照らし合わせるんですが、本当に圧巻でした。こんなお芝居するんだという私自身の感情と、もちろん乃木としての感情もあって。毎カット私たちに伝わるように何度も同じ熱量で伝えてくださったので、すごくパワーのある俳優さんだなと思いました。

関連番組