ただ、この大喜利には大きな「制約」がある。「ラヴィット!」は生放送なのだ。
特にクイズで出されるお題の場合、たとえプロの芸人でも、すぐに答えが浮かばないことは往々にしてある。途中で答えが尽きてしまうことだってあるだろう。スベっても編集できないし、なにより最後にはちゃんと「正解」に導かないといけない。生放送の大喜利にはさまざまなリスクが潜んでいる。
リスクコントロールのひとつが「ヒント」だ。VTR途中で出題されるクイズには、ヒントが2、3用意されている。パネラーの回答を見ながら、川島がヒントを絶妙に出し、ボケすらもヒントに誘導していく。
たとえば、「ロッカーのような形をした洗濯家電、どんな便利な機能がついている?」という問題。すゑひろがりずやNON STYLE石田らの答えはこうだった。
「おばちゃんが入ってる」
「モップが100本入っている」
「最悪入って体の汚れが取れる」
一周したところで、ヒントとして「焼肉屋さんで活躍します」が出る。先ほどのお題に「焼肉」という要素が加わり、大喜利としてはより答えにフォーカスしやすくなる。その結果……。
「おばちゃんが焼いてくれる」
「トングが100本入っている」
「最悪牛も洗える」
自分が前に出した回答を「焼肉」に寄せる、という新たな流れが生まれた。「牛一頭買いじゃなくて牛一頭洗いですか」とツッコミも冴え渡る。その後もうひとつヒントが出て、最終的に正解の「衣類をハンガーにかけていれるだけで除菌除臭をしてくれる」までたどり着いた。
残り時間が少ないときは、いきなり2つヒントを出すこともある。ヒントが大喜利の展開を変え、時間配分の問題を解決してくれる。
ちなみにこの日、プレゼントキーワードは「牛一頭洗い」だった。