――現場でのコミュニケーションはどのように取っていましたか?
小栗 僕はデミアン・ビチル(ハイテク企業のCEO、ウォルター・シモンズ役)と一緒のシーンが多かったのですが、彼がとても気にかけてくれて、何度か一緒に食事にも行きました。そのときにデミアンが20代でハリウッドに挑戦したときのことを話してくれたんです。
当時は箸にも棒にも掛からない状態で、一度母国に戻ったそうなんですね。それでマジメに芝居をしていたら、またチャンスが来るだろうと思って頑張った結果、30代後半に再びハリウッドに戻れて、今はこうやって仕事をすることができているんだ、と。「だから、初めてハリウッドに来ている君の気持ちはすごくよく分かるよ」という話をしてくれて、気持ちが楽になったところはありました。
――撮影で特に印象に残っているシーンを教えてください。
小栗 僕が撮影初日に参加したのは、僕が演じる芹沢蓮と、彼が所属するハイテク企業のCEOが、研究者のネイサン(アレクサンダー・スカルスガルド)を説得するために会いに行くシーン。日本の作品だと大体、午前中で撮り終えられるシーンだと思うのですが、それを丸2日間かけて撮影したんです。しかも、カメラを途中で止めることなく、シーンの最初から最後までひたすら繰り返すという撮影方法で。個人的にはとてもぜいたくな時間でした。残念ながら最終的にカットされてしまいましたが(笑)。
――丸2日かけて撮影したものをカットするというのもぜいたくな話ですね。
小栗 そうですね。でも、自分としてはもっとカットされているだろうと思っていたので、完成した作品を見たら意外と出ていて「良かったな」と。それが自分にとっては一番のサプライズでした(笑)。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)