adieu(上白石萌歌)ミニアルバム『adieu 2』をリリース!「歌はより裸になるような表現なのかなって思います

2021/06/30 12:00 配信

音楽 インタビュー

『adieu 2』をリリースするadieu (上白石萌歌)撮影=藤田亜弓

役者・上白石萌歌とアーティスト・adieu、その違いについて尋ねてみた。

「同じ自分ではあるんですけど役という鎧を借りて別の人として生きる演技をすることと、自分自身であり続ける歌っていうのは対極にあると感じてるんです。adieuという、決して前向きではないちょっと湿度のあるネーミングを借りて、別れや刹那的な感情を歌う。人格を変えるイメージで歌っていますね。ある意味歌詞も脚本みたいなものなのかなとは思うんですけど、歌って自分の声ですし、自分の経験や見てきた物が全て乗るイメージがあるので、お芝居とははまた違って、より裸になるような表現なのかなって思います。歌っているときは見透かされているような気がしますし、曲と一体化したいという気持ちがあるので、何回も自分の文字で歌詞を書いてみたりして。そうやってかみ砕くという作業が歌のほうが多い気がしています」

大学に通う21歳。多忙なスケジュールの中、役者業と同時に歌手業も行う理由とは。

「お芝居も歌も同じ表現ではあって、その先端がちょっと分かれてるぐらいのイメージなんですけど、お芝居で伝えきれないことが歌で伝えられる気がしますし、逆に歌の中で言えないことをお芝居で伝えることができたり、お互いすごく作用し合ってるんです。歌う上でもお芝居をする上でも自分という人間をちゃんと理解するというのはすごく大事で。例えばこの歌詞の意味がいまいち落とし込めないなっていうときに、引き出しを増やすためによりいろいろな経験をしなきゃいけないなって思ったり、この曲のシチュエーションはあの役に似てるなと思ったり。音楽活動を始めてから、自分がこういう表現をしたいなって思うことがさらに明確になった気がするので、その二つをこれからも深めていきたいという気持ちがあります」

取材・文=小松香里

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