草なぎ剛主演ドラマ受賞で一色伸幸氏、「ドラマは絶対に娯楽でなければ」「本当に心がヘトヘトになった仕事でした」

2021/07/05 22:00 配信

ドラマ 会見

一色伸幸氏※提供写真

第47回放送文化基金賞の贈呈式が6月30日、東京會舘で行われ、番組部門<テレビドラマ番組>で最優秀賞を受賞したNHK仙台拠点放送局製作の宮城発地域ドラマ「ペペロンチーノ」(NHK BSプレミアムほか)のスタッフと、脚本賞を受賞した一色伸幸氏、主演の草なぎ剛らが登壇した。

演出を務めたNHK仙台放送局の丸山拓也ディレクターは、制作統括の青木一徳氏とともに登壇。「栄誉ある賞を頂けて大変光栄です。こんな素晴らしい賞、脚本家の一色さん、草なぎさんをはじめとしたキャストの皆さん、音楽家の世武裕子さん、そして何よりもロケの先々で私たちを迎え入れてくれた被災地の皆さんのおかげに他なりません」とあいさつ。

続いて、「今回は、普段震災の取材を担当しているドキュメンタリーのチームが、初めてドラマを製作しました。日々の取材の中で、人間の尊さや気高さ、自然の豊かさや脅威などをいろいろな人に教わってきました。そうしたことをより重層的に多くの人に伝えるために今回、チーム一丸となってドラマを制作いたしました。今回こうして、東北への思いがぎゅっと詰まった『ペペロンチーノ』をこういうふうに評価していただき、本当に感謝しております」と語った。

発災から10年間の物語を、当事者の目線で見事に描いた脚本を評価された一色氏は、「この『ペペロンチーノ』というドラマは、東日本大震災から10年の節目を描こうということで作ったものですけど、10年前にあった本当に痛ましくて悲しくて重い出来事があり、でも僕自身はテレビドラマや映画やそういうものは絶対に娯楽でなければいけないと信じている者です」とコメント。

「その重い事実と、軽いエンターテインメントをどう混ぜ合わせていったらいいのかっていうのが、僕ももう40年近く書いているんですけど、本当に心がヘトヘトになった仕事でした。でも東北の、10年近い付き合いになりますけど、友だちたちが喜んでくれたのが本当に救いでしたしうれしかったです。それだけでももう十分なのに、こんなに重いものを頂いて、重いです、本当に恐縮しています」とトロフィーを掲げた一色氏。

「そして何より、草なぎさんもそこの2人(丸山D、青木氏)もそうなんですけど、この大変な作品をやるにあたって一緒に頑張ってくれた仲間たちと同じこの壇上に立てたのを本当にうれしく思います。本当にありがとうございます」と締めくくった。

◆取材・文=坂戸希和美

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