――おふたりは、いい女優ってどんな女優だと思いますか。
桃井:いい女優って、私たちのことだと思うんですけど(笑)。
天海:(愛嬌たっぷりの表情で口に手を当てる)
桃井:やっぱり本気の人よね。すべてを犠牲にして現場に来てるんだから、本気でかかってくるやつじゃないですか。その点でも、真壁は本当にいい女優。本を読む力が深いのね。で、そこに持っていくためには芝居をどうすればいいかというアイデアを現場でバンバン思いつくから、今回の撮影も困難なところはいっぱいあったんだけど、真壁がいるとどうにかなっちゃう。
天海:私は、いい女優ってそれぞれの立場によって受け止め方が違うと思うんですよ。作品をつくる側から見ていい女優もあれば、視聴者の方から見ていい女優もある。その上ですべての面から見ていい女優さんの中に入っている要素のひとつは、やっぱりやっていることに嘘がない人。もちろんお芝居は嘘のものをつくるわけだから、根底は嘘なんだけど。嘘の中に真実を持ってやっている人が一番いいんじゃないですかね。あと、正面切ってお互いぶつかれる人。
桃井:そうね。これがなかなかできるようでできないんですよ。ね?
天海:言葉はアレですけど、なんなら言い合いができる人。意見の交換のみならず、ちゃんと腹を割れる人がいい女優ですよね。今回、撮影の初日に、私はこういうふうに本を読んできたんだっていうお話を桃井さんの方から聞かせてくださって。おかげで、私はこういうふうに本を読んできましたという話ができた。あそこで最初にお互いの考えを確認し合えたことは、そのあとの撮影を考えても、すごくありがたかったです。
桃井:真壁は真っ正面から来るのね。それに対して、私は亜流。ものすごく清純な真壁と、不実で汚い物の考え方をする私と、正反対な2人なんだけど、これが組み合わさるとドラマになるの。面白いよね。
取材・文=横川良明
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