<酒癖50>出演の浅香航大、振り切った演技で“人間の弱さ”を体現「ヘトヘトでした」

2021/07/14 08:00 配信

ドラマ インタビュー

作品ごとに全く違った顔を見せる実力派俳優、浅香航大  撮影=阿部岳人

浅香航大が、7月15日(木)にスタートする小出恵介主演のABEMAドラマ「酒癖50」(毎週(木)夜10:00、ABEMA SPECIALチャンネル)の第1話の主人公を演じる。このドラマは脚本・鈴木おさむ、監督・小林勇貴によるダークストーリーだ。主演の小出演じる酒野聖(さけの・せい)が、酒により偽りの力を得る者、酒を飲んだ途端に気持ちが大きくなる者など、酒で人生を失敗しそうな者たちに忠告していくが進言された者たちはおしなべて酒に手を出し、転落していく。

浅香が演じるのは、接待の席でバブル期を彷彿とさせる一気飲みで気合を見せ、契約を結ぼうとする営業部のエース・青田。しかし、後輩たちにも無理矢理一気させていたことから酒癖の悪い社員50人に選定され、酒野が担当する講習に出席することになる。

浅香は、2018年のABEMAオリジナルドラマ「会社は学校じゃねぇんだよ」でも鈴木おさむ脚本作に出演。鈴木おさむ作品は「ドラマチックでエッジの作品が多く、このセリフはどうやったら違和感なく言えるか」と、毎回チャレンジ精神で挑んでいるそうだ。

現場入り前はプレッシャーも。問題に深く切り込んだ新ドラマ「酒癖50」


――最初に作品のテーマを聞いた時は、どんな感想を持たれましたか?

すごいなって(笑)。時代に逆行している内容で、ABEMAだからこそ描けるというところもあると思います。一気飲みはコンプライアンス的にできないと思いますから。脚本を読んだ段階では、個人的にも一気飲みの強要をする青田に嫌悪感を抱く内容ではありました。

――鈴木おさむさんの脚本の印象はいかがでしたか?

おさむさんの脚本はドラマチックでエッジの効いた作品が多いという印象で、セリフや言い回しなど、演じるのが難しいんです。毎回チャレンジングで、このセリフをどうやったら違和感なく言えるのかというのが課題。どうテンションを持っていくとこのセリフが言えるかという追究が求められるんです。今回もやるならとことん振り切ってやるべきだなと思いました。

――青田はどのような人物だと捉えていますか?

彼はそんなに強い人物ではなく、一生懸命で、自分なりの正義がある人間ではないかと思います。無理を他人に強要するだけじゃなくて自分もやっていますから。おそらく未熟だった自分を育ててくれた先輩がそういう人物だったために、そのやり方しか知らないんだと思います。

――だから、「俺にできて、お前にできないことはない」という決めゼリフが出てくるんでしょうね。

そうですね。青田は時代が生み出した怪物だと思います。ちょっと古い人物像に思えますが、今もギリギリいそうな気もします。

――後輩に一気飲みを強要する接待シーンは、演じていても苦しかったですか?

撮影が始まってしまえば、アドレナリンが出まくっているので、周りが見えなくなりました。後輩の春日や接待の相手も全員飲み込んでやるぐらいの勢いで、回った歯車が止まらないような状態でしたので。でも、正直、現場入りするまではむちゃくちゃ億劫でした。現場入りするまで「あー、撮影くるなー」というプレッシャーがありました(笑)。